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2006-07-03 11:30
アジア中心外交への切替えに賛成する
杉山 正典
会社員
5月25日付け「JFIRコラム」に掲載された榊原英資氏の「今こそ中印との三国関係強化を」との論説を興味深く拝見した。「時代は近代からポスト近代へ、産業資本主義からポスト産業資本主義へと大きく動き始めた。そして、それと同時に、いわゆるリオリエント現象(アジアへの文明の回帰)が加速しているのだ」という認識が出発点になっており、だから「中国よりも、むしろインドと戦略的に結ぶべきだ-などという」議論は「浅薄な議論だ」として切り捨てておられる。明治維新後の「ヨーロッパ第一」、戦後の「アメリカ第一」から頭を切り替えて、これからは「アジア第一で行こう」という指摘だと思う。大賛成である。中国との関係の重要性はいまさら私がここで指摘するまでもないことなので、ここではインドの重要性について私の日ごろ考えていることを述べ、榊原説への応援演説としたい。
私はまず経済関係を強化し、環境やエネルギー問題での技術協力を進めるべきだと考える。インドは若年人口が多く、近い将来その人口は中国を追い抜くと予測されるし、経済力でも軍事力でも(その装備は前近代的なものかもしれないが)、その膨大な人口を背景に世界の大国に伍するものになっていくであろう。現在インド政府は外国企業誘致のために、複雑な税金制度の改革やインフラの整備を進めており、ヨーロッパや韓国の企業は積極的なインド進出を展開している。日本もこうした流れに乗り遅れることなく、インドとの関係を確立すべきである。
また今後インドは、急速な経済成長に伴うエネルギー不足や環境問題に直面することは必至であり、持続可能な成長に向けて日本の技術協力が意義あるものとなろう。一方でインドは数学と英語を武器にITの分野では突出した技術力を持つ。近年日本のIT産業でも技術者の不足からインド人のシステムエンジニアを積極的に受け入れているが、依然として数は足りていない。日本もインドが得意とする分野から積極的に技術を取り入れる姿勢が重要となろう。
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