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2010-05-26 11:05
日米安保50周年記念「日米円卓会議」に寄せて
田中 聡一郎
地域政策総合研究所専任研究員
昨5月24日(月)に日本国際フォーラムの主催する日米円卓会議「50周年を迎える日米同盟:岐路か、継続か」が東京・国際文化会館で開催された。日米の論客20名余に加え、100名を超えるオブザーバーが各界を代表して参加したと聞いている。私は、都合が悪く、出席できなかったが、このテーマについて、日ごろ考えていることを、この機会に2つ、3つ述べてみたい。
日米関係の端緒は、歴史的に振り返って見ると、古くは江戸時代末期の黒船来航によって幕府の鎖国体制が崩れ、日米和親条約が締結された頃に遡ると言えるであろう。その後、幾つかの条約、協定、協約 等が何度と無く締結されてきた。そして、先の第2次世界大戦があり、敗戦の後、GHQによる占領時代を経て、日米安全保障条約が締結された。それが現在の形に改定されたのが、ちょうど50年前である。
考えて見れば、明治時代の日露戦争前に日英同盟が締結された訳であるが、日英同盟は、後に第1次世界大戦の戦後処理(ワシントン会議やロンドン海軍軍縮条約等)の一環として破棄された。それが、後にチャーチルをして「日英同盟を破棄したのは誤りであった」と言わしめたのである。現在の日米関係は、何と無く当時の雰囲気と似てきた様な気がするのである。従って、今仮に日米安保条約を破棄する様な事になれば、近隣諸国つまり、中国や北朝鮮或いはロシア辺りが、それをどう受け止めるか、黙っているだろうか、と言う様なことが懸念される。
その意味では、日米同盟自体は必要なのである。男女関係に例えれば、夫婦生活が倦怠期に入っていると言う様な状態であろうか?ここで、何か一工夫しなければ段々と飽きて来るであろう。普天間基地等で揺れている沖縄県民の方々には誠に申し訳無いとは思っている。また、基地を移設する事も必要であると思っている。ただ、それも近隣諸国の動向次第であるとも感じている。その様な意味で、現在の政権が、沖縄県民を期待させる様な余り好い加減な事は言わない方が良い。
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