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2009-08-17 17:21
北朝鮮の核兵器について
入門 貴男
文化女子大学
北朝鮮の核兵器開発に関しては現在のところ、北朝鮮自身による確実な情報が公開されているわけではないので、全て推測によってしか判断出来ない。本投稿では、北朝鮮以外の国々で行われている各種の推測の概略を示す。北朝鮮は2006年10月9日と2009年5月25日に地下核実験を実施し、2006年には公式に核兵器の保有を宣言をしていることから、一般的には北朝鮮は原子爆弾を保有したと認識されている。
2006年の核実験実施もあり、原子爆弾を小型化する技術については見解が分かれるが、一般的には北朝鮮は140回程度の高爆実験により、原子爆弾の小型化の基準である1000kgの壁を突破しているとみられ、ミサイルに搭載できる初歩的な原爆弾頭も作れる、といわれている。一説にはミサイル弾頭用のウラン爆縮原爆の設計図がパキスタンから北朝鮮に入っているとするものもある。広島型原爆のリトルボーイや長崎型原爆のファットマンの大きさから北朝鮮の原爆はミサイルに載らないとする説もあるが、当時の原爆は技術的不安が多く、計算よりもかなり多い爆薬をつかっており、構造も頑丈にしているため、重いものとなっており、核兵器に関する既存の研究も多く、技術的背景も違う現在の北朝鮮の核と比較する事は適切ではない。
北朝鮮が、米朝枠組み合意以前に黒鉛減速炉から核爆弾1~2個分のプルトニウムを取り出したことは、ほぼ間違いないとされている。また2003年から行ったと見られる作業により、8000本の使用済み核燃料棒から核爆弾4個から最大13個分のプルトニウムを取り出したと見られる。2005年の春にも黒鉛減速炉から使用済み核燃料棒を取り出し、さらに1個分取り出した可能性もある。また、パキスタンからウラン濃縮技術の購入を試み、核爆弾1個分程度のウランを入手した可能性もある。
北朝鮮の核兵器に関しては、朝鮮半島の情勢から極めて大きな不安材料になっており、周辺諸国はその動向を注目している。
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