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2009-06-08 16:22

太平洋島嶼国への支援について

堀 優子  団体職員
 5月、第5回島サミットが開かれた。参加した国々のほとんどは南太平洋の小さな国々である。多くの日本人にとって馴染みのある国だと断言することはできない。大使館を置いていない国もある。温暖化問題がクローズアップされるにつれて、ツバルなど国土消失の危機にひんするの国々が注目されはじめている。島サミットでは、日本とこれらの国々との関係強化について提唱された。

 今後、これらの国々との関係をどう構築していくか、どのような援助をしていくか、を考えていかなければならない。南太平洋諸国については、環境問題との関係で特に重要視しなくてはならない問題を抱えている。温暖化により何が問題になるかを考えると、気候変動による被害によって人が住めない、あるいは住みにくい土地が生じることである。

 島サミットに参加した国も例外でない。海水による浸水、侵食により他国への移住を余儀なくされている国もある。全ての文化は、母体に抱かれた胎児のように、それぞれの環境の中で長い時間をかけて生育したものである。それらの島国の海中沈下は、その民族及び文化圏が消滅へ向かうことを意味する。一度消滅してしまった文化の維持・復元は困難である。

 現状を考えると、沖ノ鳥島のような補強工事をしない限り、消滅は時間の問題となっている国もある。しかし、言語、文化、環境に関する情報を収集、保存することは可能である。今は、緊急に南太平洋地域を対象にした学術研究に関する支援を提言したい。
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