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2026-02-24 00:00
日本国を守る強力な「敵基地攻撃能力」保有
加藤 成一
外交評論家(元弁護士)
高市内閣は、国民の生命と財産を守るため、日本の防衛政策の基本を定める「安保3文書」の改定や防衛費の増額をはじめ、防衛力の抜本的強化に取り組んでいる。核を放棄しない北朝鮮や、核戦力を含む軍備増強を急速に進める中国の脅威、台湾有事・尖閣有事の危険性などを考えれば、日本にとって他国からのミサイル攻撃を抑止するため、他国の領域にあるミサイル発射基地などを攻撃する能力である「敵基地攻撃能力」の保有は日本防衛にとって極めて重要である。その中心は北京や平壌を射程に収める長射程ミサイルの大量保有である。
「敵基地攻撃能力」の保有については、かねてより中国や日本共産党が厳しく批判している。すでに中国外務省報道官は2020年6月24日の記者会見で、「日本の野心や陰謀は誰の目にも明らかであり、日本は専守防衛の約束を守れ」と批判し、日本共産党志位前委員長も同年6月25日の記者会見で、「すべてのミサイルを一瞬で破壊するのは不可能であり、反撃が来て日本が火の海になる。全く有害だ」(以上いずれも2020年6月27日付け「夕刊フジ」配信)と批判した。 しかし、核戦力を含む軍事力を年々拡大増強し周辺国の脅威となっている中国にはそもそも日本を批判する資格は全くない。後記の通り、抑止力が無ければ「専守防衛」自体も不可能となる。また、「平和外交」のみを絶対視し、自衛隊や日米安保による抑止力を認めない日本共産党の上記批判は、水爆を含む大量の核ミサイル攻撃による日本国の消滅と、1億2000万日本国民の全滅をもたらしかねず危険極まりない暴論である。 日本は、現在、海上配備型イージス艦と陸上配備型PAC3のミサイル防衛システムを保有している。しかし、ミサイル防衛にはかねてより技術的限界が指摘されており、特に同時大量の弾道ミサイル攻撃には対処できないとされている。のみならず、飛んでくるミサイルを迎撃するだけで、敵のミサイル基地を攻撃破壊しなければ、際限なく大量のミサイル攻撃を受ける恐れがある。したがって、「敵基地攻撃能力」の保有は、現行のミサイル防衛システムの弱点を補完するものとして、極めて重要な選択肢であり、日本防衛に必要不可欠である。モスクワを射程に収める長射程ミサイルなどの敵基地攻撃能力を保有しないウクライナでは自国の国土が戦場になり、国家国民に甚大な犠牲が出ている。なお、「敵基地攻撃」は日米安保条約5条に基づき「鉾」である米国の役割であり、「盾」である日本の役割ではないとの説がある。しかし、米国の参戦は何よりも米国の「国益」と「世論」に基づく議会の承認を必要とするから、常に参戦が保証されているわけではない。
「敵基地攻撃能力」の保有は「専守防衛」に反しない。2015年10月6日付け政府答弁書によれば、「専守防衛とは自衛のための兵器の保有や自衛権の行使は認めるが、他国に対する侵略戦争は認めない日本の防衛戦略である」とされている。1959年12月16日の最高裁砂川事件大法廷判決も、「憲法9条は自衛権を放棄したものではなく、侵略戦争を放棄したものである」(刑集13・13・3225)と判示している。さらに、国際法上も、「先制攻撃は、放置すれば甚大な被害をもたらす差し迫った確実な脅威を排除するために行われる自己防衛として認められている」(防衛研究所紀要9巻1号2006年9月)。1956年鳩山一郎内閣も、「座して死を待つのが憲法の趣旨ではなく、攻撃を防御するため他に手段がない場合にミサイル基地をたたくことは法理的に自衛の範囲である」とし、「敵基地攻撃」を合憲としている。 以上によれば、侵略戦争のためではなく、もっぱら自衛のための「敵基地攻撃能力」の保有は、「専守防衛」とは矛盾せず、憲法上も国際法上も禁止されないことは明らかである。現在の政府見解では、第一撃を受けたり、ミサイルに燃料を注入したりするなど、敵が攻撃に着手した時点で敵基地攻撃が可能であるとしている。前者は「敵基地反撃」であり、後者は「敵基地攻撃」であるが、いずれも正当である。
日本が抑止力として、長射程ミサイルの大量保有を中心とする強力な「敵基地攻撃能力」を保有するためには、攻撃目標を確定する超高性能軍事偵察人工衛星の開発導入、宇宙・サイバー・電磁波を含む多次元統合防衛力の強化、レーザー兵器等最新兵器の開発導入、超高性能レイダー基地の増設整備、新型超音速対艦ミサイルASM-3の開発導入、F-35ステルス戦闘機の導入、多用途防衛型空母の保有、各種ドローン兵器及び無人偵察爆撃機の保有、原子力潜水艦の保有、長距離巡航ミサイル及び長距離弾道ミサイルの大量保有、さらに、ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダと同様の、米国との「核共有」(NUCLEAR SHARING)による核抑止力の強化が必要である。これは米国との同盟関係の強化につながる。 現行のミサイル防衛システムに加え、このような強力で万全な「敵基地攻撃能力」を日本が保有すれば、強力な戦争抑止力となり、北朝鮮・中国・ロシアを含め日本を攻撃する国は皆無となり、1憶2000万日本国民は安心して暮らすことができよう。こうした強力で万全な抑止力が存在してこそ、国連を中心とする日本の「平和外交」の真価も大いに発揮され、世界に多大の貢献ができるのである。
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