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2023-06-22 00:00
仮想通貨は冬の時代に?
赤峰 和彦
自営業
米証券取引委員会(SEC)は2023年6月上旬、わずか24時間のうちに仮想通貨の取引所の大手2社を相次いで提訴しました。6月5日(米国時間)に提訴されたのは大手の暗号資産取引所であるバイナンスと、その最高経営責任者(CEO)のジャオ・チャンポン(趙長鵬)です。理由は市場操作のような取引と顧客の資産の不適切な取り扱い、そして企業統治の不行き届きです。続く6月6日には、ナスダックに上場している暗号資産取引所のコインベースが提訴された。証券取引法に違反しているという点です。この2件の提訴を通してSECは、仮想通貨を規制していくという明確なメッセージを打ち出しているようです。こうした動きによって米国の投資家は、人気の仮想通貨にアクセスできなくなる可能性があると言われています。米当局の動きをどう見るか、専門家と議論しましたので、その内容を紹介します。
仮想通貨・暗号通貨の交換業者をアメリカの米証券取引委員会(SEC)が続けて提訴しております。委員長のゲンスラーさんは大変厳しい方で、6月5日には大手のバイナンス、6月6日にはコインベース・グローバルを相次いで摘発しています。実は1月にも、ジェネシスとジェミナイという企業を仮想通貨事業をめぐって、証券法違反であると提訴しておりますし、2月にはテラフォーム・ラブズという韓国の仮想通貨会社を詐欺の疑いで摘発しています。そして6月6、ゲンスラーさんは、アメリカのCNBCに登場しまして、かなりショッキングなことを言いました。
「これまで何十社もの仮想通貨企業と直接議論してきたが、業界のビジネスモデル自体が証券法違反を前提にして成り立っていることがわかった」というのです。ある意味で古い原則論的な考え方ですので、業界の人からすると、「ゲンスラーさん、それは時代の変化についていってないんじゃないか」という声もあります。しかし、このように証券法の厳しい解釈をする人が仮想通貨業界に今いるというのが現実です。ゲンスラーさんが委員長の限り、仮想通貨は冬の時代だと思っていいでしょう(春が来て復活するかはわかりませんが…)。
今後もし、再び暗号通貨が注目されるとしたら、国家が暗号通貨をやる場合です。国家の、例えばドルの信用があって、そのドルに基づいたデジタル通貨ということであれば、話が変わってくるでしょう。それ以外の場面で、この仮想通貨が次の時代の主役になるとか、大きな役割を果たしていく可能性は低いと私は考えます。しかし、このデジタル通貨をやろうとしているのが、チャイナの人民元です。ある程度、国家の後押しによって広まる可能性はあります。ですが、それはあくまでも人民元の信用の中でしか広がりませんから、すぐにドルに取って代わるようなものになるとは全く考えられません。
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