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2014-03-07 00:00
(連載1)トルコの憂鬱ーシリア和平の行方
川上 高司
拓殖大学教授
1月22日に始まったシリア和平会議「ジュネーブ2」はシリア内戦解決に向けてのほんの1歩にすぎない。それでも昨年9月には軍事力による介入を検討していたことを考えれば、外交による解決を目指すという明確な方針が確立したことは評価すべきであろう。
シリア問題は複雑である。政治的には、アサド政権を排除したい反政府側と政権を維持したいシリア政府が対立し、それぞれアサド大統領の排除を求めるアメリカと存続を求めるロシアが対立する。さらにスンニ派政権を樹立したいサウジアラビアとシーア派政権を維持したいイランの対立という3層で根深い対立が横たわる。
この妥協点のない3層の対立が続く隙をつくように現地では、アルカイーダ系の過激派組織ISISがイラクや周辺国を巻き込んで勢力を伸ばしている。ISISは同じ反政府側の武装勢力のシリア自由軍やイスラム戦線をも標的として戦闘を熾烈にしている。そのため周辺国は過激派の拡大という脅威にさらされることになり、シリア問題が自国の問題になりつつある。
その目前に迫った脅威を防ごうと、トルコはシリアとの国境を封鎖するようになった。国境のシリア側ではISISとイスラム戦線の戦闘が激化しているが、そのあおりでアルカイーダ系の過激派がトルコ国内に流入してはたまらないからだ。トルコはイスラム国家だが世俗主義をとり、イスラム色を薄めてきた。それが過激派にとっては許し難いと映る。さらにトルコはシリアの反政府勢力に拠点を提供してきた。彼らを狙ったテロが大都市でも起こりうるとなれば、国境で流入を防ぐしかない。(つづく)
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