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2006-12-27 00:00
日本独自の経済文化を考え、育てよう
森下智文
大学生
1990年代、私が幼少の頃、私は日本を欧米諸国、とりわけ米国と「同質」の国として捉えていた。そのため、政治的にも経済的にも日本は米国と同じ政策を行っていると思っていた。しかし、大学で日本やその他の国々の文化を学ぶにつれて、日本の資本主義が米国のそれと全く異なっていることに気付いた。即ち、米国の資本主義が「小さな政府」や「効率重視」指向のものであるのとは対照的に、日本のそれは「大きな政府」や「終身雇用」指向のものであった。
しかし、2001年に小泉首相が政権を取った頃から、日本は米国式資本主義、新自由主義を採用し、「小さな政府」や「効率重視」を目指すようになり、日本式資本主義を捨て去ろうとしている。その結果、所得格差が拡大し、日本は「格差社会」になりつつある。12月7日の Bloomberg News Website によれば、小泉政権が成立してから、年収が100万円以下の人は16%増えて、360万人になった。若者の失業率は8.7%で、15歳から34歳で正社員でない人は400万人いる。その400万人の平均月収は、公式の最低賃金(月収12万9216円)を下回っている。生活保護世帯は10年間で66%増えて、100万世帯になった。このような状況は、米国に見られる犯罪率・投獄者数の増加、家族・コミュニティの崩壊などの現象を生み出しつつある。
米国式の資本主義は当面GDPや株価といった国全体の経済指標の向上をもたらすかもしれないが、その間に社会は内側から崩壊し始め、そのため最後には国全体の経済指標も損なわれる。米国は自分たちの政策がもたらすダイナミズムに翻弄され、社会的に不安定な状態になっている。日本は米国と同じ経済文化ではなく、資本主義のダイナミズムを管理する独自の経済文化を考え、育てるべきだ。それが社会的不安定に対処していく道にもなる。
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