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2013-09-01 00:00
(連載)「パノフ・東郷共同提案の問題点」に反論する(3)
東郷 和彦
京都産業大学世界問題研究所長
ここまでは、概ね茂田氏の理解をえられると確信している。しかし、以下の点について、私と茂田氏は全く見方が異なる。外務省で同じロシア・サービスとして仕事をし、モスクワでも東京でも同じポストを何回も経てきた茂田氏と、なぜこれほどの見解の差が生じたかは、よくわからない。限りなく寂しいと思うこともあるが、今はそういうものとして受け止めている。
「中間案が日本側の立場を害する」というのは、まったく同意できない。「四島一括以外の立場は日本の立場を害する」という固定観念が、これまでの交渉打開の機会を壊してきた大きな理由と思う。1992年秘密提案交渉の経緯を熟知する茂田氏こそ、このことを最も理解していたはずの方であった。
「交渉のための適切な時期を待つ」というが、いつが交渉のための適切な時期なのか?どのような条件を満たせば、その時期が来るのか?その間に、世界中の人間が訪れ、日本人のみが(自己抑制によって)訪れることのできない四島が現出している。日本政府には、世界の人が四島を訪れる傾向を止める力がない。取れるものから取って、現実の四島に関わって行くことこそが、唯一の打開策ではないのか?
「プーチンは、いま日本とやる気がない、もしくは取り引きしうる立場にない」とは、何を根拠に言えるのか?2012年3月以降の日本側の無為無策が、或いはもはやプーチンが開きうる「機会の窓」を閉じさせたのかもしれない。しかし、それが明らかではない以上、日本側としては、ギリギリ出来ることをなすべきではないのか? 「正義の旗を堅持する」ことが最重要と考える方の意見は、そういうものとして承る。しかし、それは北方領土を是が非でも取り戻したいという私の考えとはまったく相いれない。(つづく)
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