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2013-06-10 00:00
(連載)近くて遠い国・韓国とは適当な距離感と是々非々で(2)
平林 博
日本国際フォーラム副理事長
残念なことに、これまでの日本政府の対韓配慮は、報われること少なかった。韓国は、依然として、日本の安保理常任理事国入りに反対する勢力のリーダー格である。国連人権委員会では、慰安婦問題で日本を糾弾し続けている。歴史問題や靖国問題も収めようとするよりは、国際化しようとしている。では、韓国とはどのように付き合うべきか。日本が戦争によって侵略ないし迷惑をかけた東南アジア諸国や戦争の相手であった連合国を含め、韓国、北朝鮮、中国を除くすべての国が日本と日本人を高く評価している。日本人は、自信を持ってよい。
従って、第1に、わが国は堂々としていればよい。二国間で韓国が反日姿勢を示しても受け流していればよい。右顧左眄すべきではない。第2に、ただし、国際場裏では、わが国の評価や国益を損なわれないよう、外交上も国際世論対策上も、積極的に堂々とわが国の立場を主張し、いわれなき批判・非難には敢然と反論する必要がある。国際場裏では、「沈黙は金」ではなく、「謙譲は徳」ではない。特に、わが国にとって最重要な米国においては、170万人の米国系韓国人が、数にものを言わせて米国政府や議員に日本の非を訴え、米国を利用して対日圧力をかける動きが急である。かつて日系人は最も多いアジア系米国人であったが、そのほとんどは「良き米国人」になろうと努力し、経済摩擦などでは敢えて日本批判も行った。韓国系米国人の米国に対する忠誠心は、母国への帰属心にかき消されがちである。わが国は、米国世論への発信と米国要路へのロビーイングで韓国に後れを取っているが、官民協力して挽回の努力を倍加すべきである。
第3に、敢えて反韓感情を煽る必要はない。他方、配慮をし過ぎることもない。是々非々で付き合うとよい。北朝鮮との関係など、日本が韓国を必要とするよりは、韓国が日本を必要とする度合いの方が大きい。東アジアでの地域協力などでは、アセアン諸国、韓国、中国を含めたインフラ建設、各種制度の改善・調和、人的交流や観光の促進、災害協力、金融協力など、アセアン・プラス・スリー(アセアン10カ国と日中韓3国のグループ)間の「機能的」協力も進めるとよい。第4に、できるだけ韓国人が日本を訪れる機会を増やすべきである。観光、国際会議、スポーツなど、韓国人の訪日を奨励するとよい。かつて、細川護煕元首相が熊本県知事であった際に表敬訪問したことがあるが、細川知事(当時)が言われたことは忘れがたい。「熊本県では、韓国の高校生の修学旅行を沢山受け入れており、ホームステイもある。ホームステイを終わって帰国する際に、多感な韓国高校生のほとんどは、『日本はよい国だ。日本人は親切だ。韓国で教わったイメージと違うことがわかってよかった。』と言って感謝して帰る。中には涙を流す学生もいる。」
第5に、わが国の教育において、近代史をもっと重視し、学ばせる必要がある。明治維新以来のわが国の急速な近代化と興隆は世界を瞠目させたが、光もあれば影もあった。戦争も経験せず、戦後のどん底も経験していない若い世代は、日本の近代史を知らない者も多く、韓国などからの批判に反論することもできない。日本人としての心柱がなく、国際的発信力にも欠ける。英語教育も抜本的に強化するべきである。結論としては、韓国が成熟してくることを辛抱強く待つことが上策と思える。(おわり)
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