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2011-10-05 00:00
増税一直線の日本の経済政策を見直そう
宮崎 厚
ベンチャー企業顧問
日本は民主主義の社会のはずですから、しがない一国民が、野田首相や、安住財務相など、権力を持つ方々に経済政策に関して偉そうに言うことも許してください。かつて政権政党であった自民党や、現在の民主党を含めて、政治家というよりも、国会議員の方々の多くは、若い時から選挙運動中心で実社会の経験が乏しく、視察などによってはじめて、「本で読むよりも実感がある」(中小企業を視察した野田総理の言葉)などとおっしゃっています。現在、「震災復興」の錦の御旗によって今の政治、財務省の政策は増税路線一直線に見えます。世界経済の状況を見ると、これは間違っている気がします。当面の日本経済の運営は、増税ではなく減税をし、円高も利用して、国内需要と消費を経済のエンジンとすべきです。この20年間、金融利益を追い続け、経済の供給や生産よりも消費によって経済を繁栄させてきた欧米が、リーマンショックに至るまで、元々管理通貨制度にもかかわらず金融中心のグローバル市場主義に走り、付加価値ではないギャンブル利益的な金融利益をむさぼってきた結果、信用不安防止・経済危機救済の名の下で財政政策を無節操に行うはめに陥ったのが、今の世界経済情勢に見えます。
米国や欧州は、大量資金供給による為替安によって、世界市場に向けた生産、供給体制の復活をひそかに意図しているらしいと推測します。世界平和を望む立場上、このまま第二次大戦以前とは形は変えても、再び世界市場争奪の経済戦争に向かってしまうことを恐れます。昔と違って、一応欧州安定基金の拡大や、経済政策の協調や統一化をうたっていますが、私は経済や文化、国民性といったソフト面での世界統一化は幻想だと思います。世界は異文化や異質性の中で、どのような相互関係性を構築し、各国政府の政策は相互の調和や役割分担を考えるべきだと思います。かような考え方の上では、日本には独自の見識ある経済政策が必要です。震災復興資金の財源として、海外向け外貨建国債の発行に、今は絶好のタイミングだと思います。このまま将来さらに円高になれば返済原資は少なくて済みます。円安になった場合は、たった10兆円かそこらは外貨準備で返済してしまいましょう。一方で日本は円高を利用して、将来必要な産業基盤を世界からどんどん買ってゆきましょう。それから所得税、法人税と合わせて減税を進め、金利水準も若干3~5%程度まで上げてしまいましょう。
日本人の総貯蓄をこれ以上国が赤字国債で吸い上げるのは止めて、利回りを回復させて年金破綻を防ぎ、ゼロコストの資金を保有する金融機関が、貸出しという企業努力をせずに国債ばかりに資金を向ける怠慢経営をできなくしましょう。むしろ震災復興需要と足並みをそろえ、全国の消費を喚起して消費低迷デフレ経済から脱却しましょう。金利を上げて国債価格が下がったら、日銀が既発国債をどんどん買ってしまえば市中には資金が潤沢になり、日銀には利益が出ます。その分償還資金は少なくて済みます。産業界に資金が回り国内需要が高まれば、日本企業はどんどん強くなり、円高を利用したグローバルな活動のため、海外進出が一層活発になり、実物経済における世界的経営基盤が育ち、地球規模のサプライチェーンのネットワークが張り巡らされ、本来のグローバル経済や市場主義が世界に育って、資源の最適配分や最大多数の最大幸福に近づけます。全世界は平和と生活向上によって、日本のように少子化が進み、世界の人口爆発に歯止めがかけられます。長期の世界観を持って経済政策に当たれば、このような逆張りも必要です。世界全体から見たら小国の日本が、欧米、中国、ロシア、BRIC’sなど大国と一緒に同じことをしようとすれば、大企業と同じことを考え、同じようにやろうとするベンチャー企業が成長できないことと同じです。先般、日本の税収はせいぜい40兆円前後に対して、来年度政府予算の各省庁からの概算要求総額が100兆円だそうです。異常です。国会議員やお役人の頭の中が分かりません。
先に国家財政の使う方を決めて、その後に財源として、今までは赤字国債、これからは増税のようなことを20年以上続けて行けば、今にギリシャよりひどい財政状態になってしまいます。財務省は国家財政の収支を合わせるのがミッションなので、増税を考えるのは当然かもしれません。しかし、世界情勢の将来をにらんで日本の経済政策をしっかりやってゆかないと、日本の政治や政策は、やたら視聴者の不安を煽ったり、様々な不平不満を取り上げては「政治が悪い」「国の責任だ」と国民をけしかける、けしからんマスコミの餌食にされ、民主主義とはすなわち非効率と同義語となって、それこそコストばかりが嵩みます。民主主義を唱えて、同時に国民主権である国の責任を訴えることは、天に唾するのと同じです。責任があるのは政治家やお役人であって国民ではありません。民主党輿石幹事長は、「党と政権を守ろう」とおっしゃたそうですが、そんな一党独裁の中国共産党のようなことは言わず、日本の経済成長を守り、維持発展させて、日本は(軍事力ではなく)経済を通じて世界の経済状況改善・向上に貢献しようと、おっしゃって下さい。そして政府は、まずは経済政策に世界観と理念を持って当たってください。
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