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2011-01-11 00:00
朝日新聞の見識に敬意を表する
奥村 和男
大学教授
昨日は「朝日新聞の見識を疑う」と噛みついたが、なにも朝日新聞そのものの見識を疑っているわけではない。あの特定記事の見識を疑ったまでである。そんなことを改めて書く気になったのは、今朝の朝日新聞社説の見識におおいに共感を覚えたからである。その社説というのは、「国境を超える若者:アジア支える大学教育」である。
「欧州27カ国は欧州連合(EU)の旗の下、経済統合を進め、不戦共同体を作り上げた」として、それを支えた欧州の若者たちの「ヨーロッパ人意識」の育成の重要性を指摘している。具体的には、欧州全域から集まった若者たちに英語・仏語による全寮制教育を実施している欧州大学院大学(カレッジ・オブ・ヨーロッパ)の成果である。単位互換制度や奨学金支給によって欧州内の留学を後押しするエラスムス計画もある。
アジアではまだナショナリズムが強くて、「アジア人意識」は生まれていない。しかし、アジアの未来を考えるとき、ナショナリズムの相克が道を開くとはとても思われない。最終的には、ヨーロッパの経験から学ぶ以外ない。そのヨーロッパの経験を「不戦共同体」という言葉で表現していることにも、共感を覚えた。「不戦共同体」という概念は、日本国際フォーラム理事長の伊藤憲一先生が、2007年に『新・戦争論』(新潮新書)のなかで述べられた概念である。
早稲田大学、国際教養大学、法政大学、立命館大学などが、広くアジア各地から留学生を受け入れて、英語で講義していることも紹介されている。これらの大学関係者のご努力に敬意を表すると同時に、その努力を日本人が、官民協力して、政府ベース、地域ベース、市民ベースでバックアップしてゆきたい。それを呼び掛けたものとして、朝日新聞社説の見識に敬意を表するものである。
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