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2011-01-10 00:00
北方領土は「不法占拠」でない?:朝日新聞の見識を疑う
奥村 和男
大学教授
今朝1月10日付けの朝日新聞が第3面全面を使った特報記事「日ロ外交不信の連鎖:検証駐ロシア大使更迭」を読んで、その内容のあまりの低劣さに驚いた。一言で言って、志のない記事である。なんのために、こんな記事を書いているのか、その目的が定かでない。あえて言えば、大衆扇動的、週刊誌的である。
「メドベージェフ大統領が北方領土を訪問する可能性があるか、ないか」について、外務省の情報が官邸に届いたか、届かなかったかを「検証」するのが目的だそうだが、その程度のことなら、1頁全面を使う大記事など書く必要はない。10行か、せいぜい20行の囲み記事でよかっただろう。
だから、狙いはむしろ「定まらぬ日本に(ロシアは)期待し、失望し」という後半の大記事にあったと見られるのである。麻生首相が2009年5月に、前原沖縄・北方担当相が10月に、それぞれ国会で「北方領土はロシアによる不法占拠」と答えたことを問題視し、それに「ロシアが反発するのは当然」と言わんばかりの記事づくりだ。
ロシアが北方領土に居座っているのは、なんらかの法的根拠があるからではなく、力(それも軍事力)のみに依拠していることは、世界周知のことである。だからこそ、日本はその返還を要求しているのである。「不法占拠であるか、ないか」をめぐる日ロ首脳のやりとりは、外交交渉それ自体の前哨戦である。「ロシアを刺激しないように」と言って「不法占拠」の指摘を取り下げれば、それは北方領土の返還要求自体を取り下げることになる。その程度のことも朝日新聞には分からないのだろうか。
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