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2006-04-12 00:00
力量も徳もない米国は困った問題
吉田春樹
吉田経済産業ラボ代表取締役
米国にとってはもちろん、日本にとってもですが、北朝鮮問題は思うように進んでいません。イラク情勢も非常に厳しいようです。イランの問題もあります。
核不拡散体制は、残念ながら、ほとんど破綻しかかっていると思います。恐ろしいことです。こういう時にこそ、世界大国であり、その意味で覇権国家である米国にがんばってもらわなければなりません。
しかし、近年の米国は、国際社会における独善的行動が非常に目立ちます。国連分担金の支払い拒否、対人地雷禁止条約への加盟拒否、京都議定書からの離脱等々。例えば対中東問題においても、ヨーロッパ主要国との関係はうまくいっていません。
いささか性急な表現かもしれませんが、人類は危機に直面しています。ここで求められるのが、主要国の結束です。そのリーダーが米国のはずです。
しかし、残念ながら、現在の米国にはその力量も徳もありません。第2次大戦後に日本を民主化できたのだからイラクも民主化できるはずだと、安易に考えているようです。終戦時の日本にはすでに大正デモクラシーの歴史がありましたし、天皇制の下、国の体制もしっかりしていました。歴史も文化も異なる両国を比較するなど、今の米国政権は思慮分別が足りないのです。
圧倒的な軍事大国でもある米国には、主要国のリーダーになってもらわなければなりません。日本にとっても、非常に大切な同盟国です。しかし、現在の米国にはそれに応えるだけの力がありません。困った問題です。
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