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2026-09-29 00:00
米、中と日本の「温度差」はかくも違う
山田 禎介
国際問題ジャーナリスト
日本では今回の習近平主席の訪米を取り巻く諸事で「かまびすしい」論議が起こっている。おまけに米南部ジョージア州アトランタ動物園に、中国からパンダが贈られたことさえ、映像をいち早く日本の民放が報じるサービス。習近平主席がホワイトハウス晩餐会でお披露目した通りだったが。振り返れば第二次大戦後の冷戦下、英国が新生中華人民共和国を、米国の反対を押し切って承認したお礼に、ロンドン動物園にパンダ二頭が贈られ、世界で話題になった。新生中国を承認した当時の英国の本音「直轄植民地香港と租借地の保全と引き換え」に他ならない。これがパンダの政治的取り引き材料とされる始まりかも知れない。
でも、わたしがワシントンにいた1999年当時、中国から贈られて久しいワシントン動物園の老パンダは、その他の動物同様のフツー以下の扱いで飼われていた。かなり弱っていた感じでもあった。日本でのこれまでパンダの扱いは、いずこの施設でもまるで官民あげての「国賓待遇」だったが、太平洋のさらの向こう側はそんな調子だ。いま緊迫とされる米中関係でも、でも意外や広大な国土同士のおおらかさが根底にある。米国人が中国で勤務することになったら、その夫人が小躍りして喜んでいたのを米国で見たし、戦後日本で公開された1939年制作の米映画邦題「嵐ケ丘」では、少年が「わが父は中国皇帝で、母はインドの王妃だ」と言うセリフをしゃべる。西欧世界の中国とインドへの憧れだろう。
そこで本論だが、トランプ米大統領が生まれ、乳飲み子だった「1949年」に新生中国が誕生したが、習近平主席が生まれたのはさらに後だ。両指導者応酬の「米中は同盟国だった」発言に敏感に反応する日本だが、スピーチ原稿は優秀なスタッフが用意周到で準備したにしても、米中ともに呼応即興の要素がほの見える印象だ。トランプ大統領は、ジョン・ウェイン主演の中国支援米義勇航空部隊を描く戦意高揚映画「フライング・タイガー(ス)」をリバイバル映画で見た少年だったろうし、習近平主席は中国政府幹部だった父親から、戦前の話を聞いたのかも知れない。でも根底事実は、当時の当事者だった中国が蒋介石の中華民国だから政治背景が違う。
また、米中同盟国の意味の淵源とも言えるこの米義勇航空部隊のことは、冷戦時代に後身の別組織として伏せられたことで、日本ではほとんど知られていない。いまだに戦中「フライング・タイガース」を率いた米軍人シェノー (Chennault)のことを、専門家でさえ、シェンノートと呼ぶ程度だ。逆のケースでは、日本ではあまりにも有名な、仏革命時の「ラファイエット」は米独立戦争に義勇軍指揮官として参戦しており、米国人には「ラフィエ(ト)」(De La Fayette)と、発音しなければ通じない。
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