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2022-09-28 00:00
NATOは「核反撃態勢」で露を抑止せよ
加藤 成一
外交評論家(元弁護士)
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ及びウクライナに武器援助するNATO諸国に対してまたぞろ「核恫喝」を始めた(2022年3月1日「百花斉放」掲載拙稿「ロシアの「核恫喝」を許してはならぬ」参照)。すなわち、ロシアの領土が攻撃されれば核の使用を排除しないというのである。その背景には、ロシア側がこれまで制圧していたウクライナ東部及び南部へのウクライナ軍による反転攻勢が行われ、一部地域のウクライナ軍による領土奪還が成功しつつあるからである。様々な海外情報を総合すれば、戦況はロシア側に不利となりつつあり、焦ったプーチンは、東部地域での「住民投票」強行によるロシア領への編入と、30万人の予備役召集、その上に「核恫喝」を余儀なくされたのである。すなわち、プーチンは、NATO諸国が武器援助するウクライナに対しては、もはや通常戦力だけではロシア側の勝利が不可能または著しく困難であることを認識し、最後の手段として、「核恫喝」及び「核攻撃」に頼らざるを得ない状況に追い込まれたのである。
このようなプーチンによる「核恫喝」及び「核攻撃」を阻止する手段はただ一つしかない。それは米国をはじめとするNATO諸国が、もしもロシアがウクライナに対して、戦術核を含め「核攻撃」を加えた場合は、直ちにロシアの首都モスクワの核基地及び政権中枢部並びにロシア全土の核基地に対する「全面核反撃」を行う態勢にあることをロシアに対して宣言することである。NATO諸国の上記「全面核反撃態勢」は、独自の核を保有する米国、英国、フランスが中心であり、米国と「核共有」をするドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、トルコも参加する。具体的には、ウクライナに対してロシアによる戦術核を含む「核攻撃」が行われた場合は、数分以内に全面的にモスクワ及びロシア全土の核基地等に対して核ミサイルを発射できる態勢を24時間体制で準備しておくのである。
米国をはじめNATO諸国は、直ちに、ロシアによるウクライナに対する「核攻撃」を阻止するための具体的協議に入り、ウクライナに対するロシアの戦術核を含むあらゆる「核攻撃」に対する全面核反撃態勢を構築すべきである。NATO諸国による「モスクワの核基地及び政権中枢部並びにロシア全土の核基地への全面核反撃態勢」は、地上発射型核ミサイル、潜水艦発射型核ミサイル、航空機発射型核ミサイル、航空機投下型核爆弾等を含め、圧倒的数量とすべきである。これによりロシアの首都モスクワの核基地及び政権中枢部は壊滅し、ロシア全土の核基地も壊滅的打撃を受けるであろう。これは、一発の核爆弾で甚大な被害を受けた広島・長崎を見れば明らかである。
独立国家のウクライナに対して国際法違反の侵略戦争を行いながら、戦況が不利になるや「核恫喝」を繰り返すプーチンに対しては、以上のような、米国をはじめとするNATO諸国が共同して「モスクワの核基地及び政権中枢部並びにロシア全土の核基地への全面核反撃態勢」を構築しなければ、到底、プーチンの「人道に反する戦争犯罪」である「核恫喝」と「核攻撃」を抑止することはできない。
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