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2008-10-11 15:39

日米戦争:問題は日本の指導者の判断の甘さ

牧野 昭次郎  パシフィックコンサルティング株式会社代表取締役社長
 10月1日付けの田久保忠衛先生の本欄への投稿「日米戦争の責任は日本だけにあるのか」(776号)を拝読し、コメントと質問をさせて頂きます。先ず柳田孝二氏の立論に対して、「一方的に日本に責任があると言う議論は、無理があり、破綻がある。歴史の因果関係を重視しなければならない」と、田久保先生が仰られるのには、賛成です。然し何故日米戦争の責任について討論される時に、常に勧善懲悪的な見方になり、「日本が100%悪かった、いやいやアメリカも多少以上責任があった」と言うような、矮小な議論になってしまうのでしょうか。もう一つは、昭和天皇が人種問題に触れておられますが、其の反面アジア、特に中国市民の生命に関する全くと言ってよい無関心は、どう理解したらよいのでしょうか。

 軍人も含めて500万人近くの日本人が死亡した、あれだけ無謀な、そして下手な戦争をした、真の責任は何処にあるのか。63年たった現在も、日本国民に対するはっきりした説明は無く、また認識も無いのが、問題だと思います。同様に、中国を含めてアジアで1000万人近くの軍人・市民が死亡したことに対する責任に関する、明確な説明も、認識も有りません。其の議論が出ると、直ぐに「自虐的だ」と非難のコーラスが一部から起こります。私は、日米戦争は、日本が遅まきながら列強先輩諸国に伍して帝国主義侵略戦争に参加した結果であると考えています。

 残念ながら、既に「帝国主義的侵略は、悪である」と言う定義が国際間で確立しており、また自国民も含めて、人命を軽視する度合いが強かったため、日本は悪の権化のように非難されました。然し何よりも問題なのは、GDP比で数十倍の相手に不意打ちのパンチを見舞い、後は何とかなるだろうと言う見通しのもとで国民を戦争に駆り立てた、当時の日本の指導者の判断の甘さだと思います。それが敗戦近くになってまで、統帥部と昭和天皇との間のやり取りで続けられていたのですから、国民には救いがありません。日本が、今後アジアで、又世界で、強いリーダーシップのもとに諸国の信頼を得て、活躍してゆく為には、「日米戦争」(私はあえて「太平洋戦争」と申し上げます)が、どう言う戦争であったかと言う事を、国民がはっきり認識しなければならないと考えます。
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