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2026-04-29 14:40

高市政権、発足から半年、政策実現は?

舛添 要一 国際政治学者
 高市政権が昨年10月21日に発足してから半年が経つ。内閣支持率も60〜70%と高い状態を維持している。2月8日の衆院選挙で圧勝し、盤石の政権基盤を築いた。この国民の人気を背景に、大胆な政治運営を行っている。しかし、その独断専行には党内でも不満が高まりつつある。今後を展望してみたい。国民の最大の関心事は物価である。イラン情勢もあって、石油を始めとする諸物価が高騰しており、その対策が急務である。政府も様々な手を打っており、たとえば、ガソリン価格は補助金によって抑制されている。イラン情勢は、アメリカとイランの停戦協議次第であるが、容易には解決しそうもない。ホルムズ海峡の完全開放にはまだ至っていない。また、湾岸諸国の石油施設もイランの攻撃によって一部が破壊されており、修復には時間がかかる。日本には8ヶ月分の石油備蓄があり、すぐに国民生活に影響を与えることはないが、戦争が長期化すれば安心してはいられなくなる。

 高市は、国民世論を二分するような問題にも取り組んでいくとしているが、たとえば、憲法改正、皇室典範の改正は簡単ではない。食料品の消費税ゼロも、いざ実施しようとすると、理にかなった反対論が噴出する。国会議員の定数削減も容易ではない。高市は、保守派路線を実現させる政策も実行している。とくに安全保障政策では、武器輸出の制限を撤廃したり、国家情報会議を新設したり、経済安全保障を強化したりしている。外交では、トランプ政権と良好な関係を維持し、それを武器にヨーロッパ諸国とも緊密な協力関係を築いている。
 
 ただ問題は中国との関係である。昨年11月の高市首相の台湾有事発言以来、日中関係は悪化したままである。今のところ、関係改善の兆しは見えないし、高市も積極的にはそれを模索していない。5月中旬には、米中首脳会談が行われる。その機会に、何らかの打開策を見いだす努力を展開すべきであろう。さらには、日本は、中東では欧米と違って反感の対象にはなっていない。とくにイランではそうである。その点を活かして、もっと積極的に中東に関与すべきではないのか。アメリカに核抑止力を頼っているために、正面からトランプ批判はできないかもしれないが、イラン攻撃が国際法違反であることくらいは、明言してもよいのではないか。ヨーロッパはそうしている。
 
 高市人気は、女性宰相であることにも大きく与っている。それは、従来の「おじさん政治」をぶち壊しているというイメージである。政治家は高級料亭で会食して意見交換をするという習慣に従わず、高市は会食もほとんどしない。公務が終わると、さっさと帰宅して、勉強するという。これは、庶民から見ると好ましいのであろうが、政治家のみならず、多くの人と会食するのは、視野を広げるためにも重要である。誰であれ、名刺交換だけで親密な関係にはなれない。会食すると、お互いの性格、趣味などもよく分かって、いつでも相談できる関係を築くことができる。とくに政治家は、会食の利点を最大限に活用する必要がある。それをしなかった典型は石破茂であり、彼の内閣は短命に終わっている。石破には側近が少なかったが、高市はもっと少ない。これでは、唯我独尊で国の舵取りを失敗する。国会答弁の準備のために、首相や閣僚は、早朝に役人からレクを受けるが、 高市はレクを断り、官僚の書いたメモを事前に読むことで対応しているという。しかし、役人と議論しながら答弁を練ったほうがよいし、効率的である。国会での答弁準備も、今の手法だと長続きしないのではないか。
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