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2026-03-28 14:47

危険な共産党の「暴力革命」と「一党独裁」

加藤 成一 外交評論家(元弁護士)
 かつて、2015年ころの日本共産党は、「統一戦線戦術」に基づく「国民連合政府」の提唱や、国政選挙に向けての、旧民主党など野党との「選挙協力」など、日本の政治に少なからぬ影響力を及ぼした。ただ、10年後の最近は選挙のたびに得票数と議席数を減少させ、党勢は衰退傾向にある。しかし、現在でも共産党は日本の左翼勢力の中心として相当の影響力を保持しており、とりわけ左翼系大学教授や評論家など知識階級への影響力は大きい。そうだとすれば、共産党の基本理念と基本政策を改めて検証する必要があろう。

 まず、日本共産党の基本理念である社会主義、共産主義社会の実現については、その手段方法が問題であろう。共産党は選挙によって国民の多数を獲得し、平和的に変革すると主張する(多数者革命論)。しかし、他方で「革命への移行が平和的となるか非平和的となるかは、結局敵の出方による」(宮本顕治著『日本革命の展望』)とか、「わが党は、革命への移行が最終的には敵の出方にかかるという立場をとっている」(不破哲三著『人民的議会主義』)という、いわゆる「敵の出方論」が共産党には存在する。 「敵の出方論」とは、彼らの言う「敵」すなわち「反動勢力」が「社会主義革命」に対して「反抗」や「反革命」を行った場合は、非平和的手段すなわち暴力で打ち砕くということである。ロシア革命を指導したレーニンも、「いったん獲得した社会主義政権に対する階級敵による反抗(反革命)を打ち砕くためには、法律に基づかない暴力によって抑圧する」(レーニン著『国家と革命』)と言っている。すなわち、社会主義、共産主義社会を実現するためには、時と場合によっては非平和的手段である「暴力」の使用を排除しないというのが「敵の出方論」である。共産党は、いまだに「敵の出方論」を放棄していない。このことは、いわゆる「マルクス・レーニン主義」の核心である「暴力革命」を放棄していない、ということでもあろう。カール・マルクスは、「強力(暴力)は、新しい社会をはらむ、すべての古い社会の助産婦である」(マルクス著『資本論』)と述べ、社会主義革命における「暴力」の役割を極めて重要視しているのである。共産党が、現在も公安調査庁による「破壊活動防止法」の調査対象になっているのは、「社会主義革命」を目的とし、「敵の出方論」に基づく「暴力革命」を放棄していないからであると言えよう。

 次に、日本共産党が実現を目指す社会主義、共産主義社会の内容が問題である。共産党は、旧ソ連、中国のような社会主義ではなく、高度に発達した資本主義国である日本に適合した社会主義を実現する、と主張する。しかし、共産党が実現を目指す社会主義社会が、いまだ実現していない以上は、すでに実現した旧ソ連、中国などの社会主義社会の内容を検証せざるを得ないであろう。 そうすると、旧ソ連や中国をはじめ、これまでに実現したすべての社会主義国家は、いずれも「プロレタリアート独裁」(マルクス著『ゴーダ綱領批判』レーニン著『国家と革命』)の名による「共産党一党独裁」の社会主義である。そこでは、基本的人権や言論の自由などが徹底的に抑圧され、共産党に対する一切の批判が許されない社会であることは異論がないであろう。宮本顕治は「プロレタリアート独裁を経ることなしには社会主義社会は維持できない」(宮本顕治著『日本革命の展望』)といい、不破哲三も「社会主義日本ではプロレタリアート独裁が樹立されなければならない」(不破哲三著『人民的議会主義』)と言っている。すなわち、いずれも「共産党一党独裁」を主張しているのである。
 
 さらに、日本共産党が党綱領で定める内政の基本政策である、大企業の国有化などによる「生産手段の社会化」と、一定の市場経済を導入した「計画経済」を検証する。競争原理が働かない「生産手段の社会化」や「計画経済」は、技術革新を遅らせ、非効率、低生産性、低成長をもたらし破綻したことは、旧ソ連、旧東欧、改革開放以前の中国などで実証済みであろう。このことは、旧西ドイツと旧東ドイツ、韓国と北朝鮮の経済力を比較すれば、一目瞭然であろう。韓国のGDPは北朝鮮の50倍以上である。すなわち、共産党の基本政策である「生産手段の社会化」や「計画経済」では生産力が発展せず、国民が豊かになれず、窮乏化する危険性があろう。

 最後に、日本共産党の外交の基本政策である、「日米安保条約破棄」「自衛隊廃止」を検証する。共産党は、党綱領で統一戦線の政府である「民主連合政府」が成立すれば、日米安保条約を破棄し、国民の合意で自衛隊の廃止に向かう、としている。問題は、安保条約を破棄し、自衛隊を廃止した場合に、他国からの急迫不正の武力攻撃に対して、国の存立と国民の生命、自由、財産を守り切れるかどうかであろう。共産党の外交の基本政策は、日本から「抑止力」を奪い、日本国および日本国民を存亡の危殆に瀕せしめる危険性があろう。日本国民には、共産党の基本理念や基本政策を冷静に見極め、誤りなき判断が求められよう。
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