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2024-10-17 08:21

ドイツでも「あなたの隣にいる中国のスパイ」

宇田川 敬介 作家・ジャーナリスト
 普通に、スパイやスパイを使った情報収取、そしてその後の情報の操作や諜報活動、場合によっては意見誘導などをしている国は少なくない。日本の国内でのSNSでも、中国から影響を受けたり選挙の介入をされてアメリカや台湾の選挙が、その国の意見とは全く異なる意見になっているのではないかというようなことが言われているが、実際に、そのような工作をしていることを事前に目にしていなければならない状態ではないのか。

 さて、今このように書けば、ロシアか中国がその中心になっている。はっきり言ってアメリカや台湾という軍隊をしっかりと持ち、その諜報組織がしっかりしている国が、それでもそれらの陰謀にかかってしまって、大衆を扇動する内容に負けてしまっているのにかかわらず、日本が全く何もされていないなどと考える方がおかしい。基本的に「気が付かなければ、ないのと同じ」というようなことをいう人がいるが、まさにそのような感じでしかないのである。要するに、日本は、すでに陰謀をしっかりと仕掛けられてしまっているにもかかわらず、それを知る機会がなく、またそれを調べる機関もないために、「何かされていても、全く何も証拠がなく、気が付かないからないのと同じ」ということになっている。これが日本なのである。そしてスパイ防止法などを作ろうという動きをすると、反対する人々がいるのだから、困ったものである。そもそも、日本の果物シャインマスカットや、苺などが、種ごと盗まれて韓国や中国で栽培されているということから見ても、様々な情報がすべて持っていかれているのであるが、全くそのことが見えていないのだ。困ったものである。10月の初めに、ドイツで中国人の女性スパイが逮捕されたという報道がなされた。記事によれば物流サービスの会社に勤めていて、その物流情報、特に軍事装備品の輸送に関して情報を提供していたという。

 さて、これくらいならば、日本にもいくらでもいそうだしまた「日本人の中にはこのような情報の漏洩が何が問題なのかわからない人」もる、基本的に左翼主義者の中にはこの中国人スパイと同じようなことをしている人もいるかもしれない。基本的に、ウクライナ侵攻以来、ロシアの内情やロシアの軍事内容を見ているが、そもそも、日本ではあまりわからないかもしれないが「鉄道地図」や「道路地図」も基本的には「戦略物資」として管理されており、外国人がその戦略物資を買うことは許されていない。もちろん本屋などで売っているものは良いのかもしれないが、そのような地図は役に立たないか、電車についているような地理情報が全く入っていない内容なのである。以前、知り合いがロシアで逮捕された。その知り合いは、ベルリンの古書店でモスクワの戦前の地図とその地図に一緒になって残されている写真がのっている、現在の日本でいう「観光マップ」のような本を買った。そしてその知り合いがロシアに行き、赤の広場でその地図と写真のページを広げ、「戦前と全く変わらないな」と思っていたところ、すぐに警察官やスーツを着た人物が近寄ってきて、逮捕されたというのである。基本的に観光客であったことから、一週間くらいの拘束で釈放されたが、あとで調べてみるとベルリンの古書店の店主が、「そのようなことに興味を持つ人」を通報するような関係にあり、その本を買ったところからずっと尾行がついていたということになる。

 日本では「こんなことが大事なのか」と思うことがそのままスパイになってしまっている。2005年にヤマハのココム違反事件があった。ヤマハからすれば「おもちゃのヘリコプターを譲っても何の問題もないはず」ということが、今や中国製のドローンの基本技術となって日本を滅ぼそうと狙っているという。少なくとも最近中国製の長距離ドローンがロシアでウクライナを襲っているということなので、ヤマハの技術がウクライナの人々を殺しているということになるのである。何もヒズボラのポケベル爆破ばかりではないのである。そのような事は、「日本の常識」とは全く異なる。しかし、世界の常識はスパイとして逮捕する方が正しいと判断するのである。現在というか2024年7月の統計で日本に在留する中国人の数は約76万人といわれている。外国人の総人口の約24%を占めている。問題は、そのような中国人だけではなく、その中国人を助けるとして「善意でスパイを手伝う日本人」やココム違反のヤマハのように「経済的な活動として、これくらいは問題ないとして情報を出してしまう日本人」ということになる。まさにスパイは今あなたの横にいて、あなたの情報を狙っている、そのことを認識すべきではないか。そのような対策や教育がしっかりと行われる必要があるが、どうもダイバーシティとか言って、日本では世界の常識から逆行しているような気がする。
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