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2024-09-10 23:50

(連載1)諜報機関に「多様性」は必要か?

宇田川 敬介 作家・ジャーナリスト
 日本で陰謀論といえば、なんだかわからない、実在しているかどうかも不明な影の組織があって、その陰の組織が何か人類を迫害するとか、殺戮するとか、そのような感覚である。ちょうどイメージとしては仮面ライダーの死神博士や、マジンガーZのベルクカッツェのような、地球を外部から洗脳して地球人すべて奴隷にする勢いの団体があるかのような感じである。このたとえでわかるように、日本で「陰謀論」を主張している人々は、1970年代の悪の組織的な陰謀論と全く変わらない発想しかなく、それがいかに現実離れしているかがわかるのではないか。細かく言えば「善悪二元論」の絶対的な悪の組織があり、その人々を「勧善懲悪的に倒す」という構図は、時代劇水戸黄門の時代から日本人が大好きであり、それが昔の子供アニメにも十分に作られた内容である。現実社会に行きながらそれらの内容から全く成長がないというのが、日本の陰謀論者であると言って過言ではない。

 しかし、一方で「陰謀」が存在することは、別な意味で存在する。ある意味でそのような「悪の組織」はないが、しかし、今のウクライナにおけるロシアや、台湾における中国共産党のように、「人類全体」ではないにしても「自国のエゴで、隣国を侵略または害する目的を持っている」国は少なくない。これは国ばかりではなく、「会社」「宗教」など様々な団体がありその団体がそのような「自分のエゴ」を出せば、それが陰謀につながることになる。そのような「各団体や国家のエゴ」を見破り、そのうえでその行動に関して「通常の国家運営とは異なる内容」を見てゆくということが、陰謀を見つける作業になる。ここではそのような内容を行っている。
 
 さて、「アメリカの諜報機関において民間よりも多様性に遅れが出ていること」について考えてみたい。8/26(月) ロイターで「米諜報機関、多様性が民間に遅れ」という報道がなされた。私などから見れば、1970年代から始まったウーマンリブ、そして、「男女平等運動」というのは、これは「男性」「女性」という「団体」における陰謀であるという感じがある。そもそも「権利」があれば「義務」も存在する。本来は男性と女性が、役割分担を行っているはずであり、それを男女関係なくしてしまうということは、かなり大きな問題になる。そのことは「家庭で子供を育てる」ということができなくなり、また子供がいない家庭においては、老人になってからその生活を面倒見る人がいないということになってしまうので、国が年金や生活保護費を支給しなければならない。単純に、「共産主義的な老人社会」が出来上がるということになるのである。そのような意味では共産主義者や社会主義者の陰謀ではないかというような気がしないでもないが、そもそも「家庭ということを壊す」というような感覚が出てきてしまっているのではないか。

 まあ、その話は別にして、すでにそのような価値観になってから半世紀経ってしまう。その内容が染みついた世界において、「女性の社会進出」が「率」で出てきてしまう。女性が社会進出し、それだけ共働きが増えてしまうということは、それだけ子供を育てる人がいないということを意味しており、何かがおかしいというような状況になるのではないか。しかし、その様な「割合」だけを数値化していることに「問題」を感じない状態になっている。(つづく)



 
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