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2024-09-09 00:30

民主主義を一層進展させる総裁選へ

畑 武志 大学名誉教授
 総裁選、代表選に関するニュースが盛んに取り上げられ、日本政治の今後の在りようについて考える機会になっている。中でも次の首相を選ぶことでもある自民党総裁選については、日本の将来を決定づけることになり、関心を持たざるを得ない。国民のための経済安定と発展に導き、世界の首脳たちと議論してリードしていける能力と人格を有しているか否か等、見極めていかねばならない要素は多い。各報道機関においても、そのような問題点を明らかにする報道が期待されるが、現実は人気投票結果を紹介するような表面的事実報道が繰り返される一方、かねてより立候補を表明している青山繁晴候補が除外され続けるという奇妙な現象も起きている。

 マスコミを含めさまざまな思惑がからむ総裁選であるが、日本の民主主義がどうなるのかという大事な選挙である。国民の代表・代理である議員はもとより党員各位におかれても正に真剣に投票先を考えられているところであろう。一国民として望まれるところは、日本の民主主義がよい方向に発展していくことである。欧米でも増えているかに見える民主主義の変容は不安な要素であり、権力を持つ者の独裁的な体質は人間の性なのかもしれないが、それを抑えて民主政治を確立できる総裁であるかが問われる。

 新たな時代の国会では議論の在り方も変わって来るであろうが、独裁国家が台頭してきた現状の中、民主主義国家が力を伸ばし、人権が守られた政治を拡げる方策を考えねばならない。独裁的に政治を進める国では決断実行は早いが、判断の基準が一部権力者らの考えによる。対して民主国家では、多くの意見を基に最良案、或は多数決案が採用されるから、一般に決定は遅いが、より誤りの少ない裁定ができる。独裁者の能力には限界があるが、国民からの自由な意見を取り入れられるようにした民主国家の判断能力は無限とも言え、独裁国家を人権国家へ誘導する秘策さえ導出できる可能性がある。

 これからの民主政治の成否は、如何にして幅広い国民からの意見を求めて議論に活かすか、新たな国会議論手法を導入できるかどうかにかかるだろう。議員紹介による「請願」によって、国民の意見も国会に届けることはできるが、政治決断にはとても間に合わない。その改善策については多様な案が考えられようが、一案は拙稿
https://demblue8751.blogspot.com/2024/06/blog-post.html
にも示している。e-論壇等で問われているようなさまざまな課題が国会や委員会等でも取り上げられるような議論方式についても、新首相にはご検討いただきたい。
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