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2023-12-27 11:51

ロシア外相の領土問題は終わったという宣言の意味は?

宇田川 敬介 作家・ジャーナリスト
 今年も最後の一週間になった。来週は、既に2024年、日本の年号で言えば令和6年ということになる。令和6年に向けて様々な内容がまたニュースで流れているのであるが、その内容に関して、日本では「一過性」とか「何とかなる」というように考えてしまっており、そのことから、大きな内容が見えてこないような話になっている。例えばこれから述べるニュースも、そのことの意味が全く見えていないということになり、令和6年の予想が大きく変わってくるかもしれない、もっと言えば、日本の歴史が変わるかもしれないようなことが、一応報道してあるレベルの小さな記事でしか扱われていないということになるのである。たしかに報道はしているが、北方領土の話などは、多分自民党の清和政治研究会のパーティー券の話などよりもはるかに大きく、また日本国にとって重要な話であると思われる。しかし、日本のマスコミというところは、「何が大事か」ということが全くわかっていない。連日、大雪の話か、または政治スキャンダル以外には何もなく、外交や政策の話をしっかりと解説をしながら報道するということは全くしていないということになるのである。これでは、マスコミでしか政治を学ばない有権者や、そのような情報が全く正確に入って来ることのない、井戸端会議と床屋政談でしか政治を語ることのできない内容の人々が投票をするスキャンダルしか追及できないような議員ばかりでは仕事ができるはずがないのである。

 ちなみにスキャンダルを重要視するというのは「人間の嫉妬心」を掻き立てているだけの事であり、それでは話にならないということになるのではないか。そもそも政治などは嫉妬で行うものではなく、しっかりとした政治という「統治行為」であり、論理性などから行う内容のものである。そのように考えた場合、いま世界で何が起きているのか、そして日本はどのような目で見られているのかということが重要であり、日本国内の嫉妬の話などは意味がないということになるのです。何も、この嫉妬で成果が動くということではないのは、当たり前のことで、実際に、明治維新とういうのは、様々な人々が様々な功績を残した。その様々な功績の陰には、女性スキャンダルになるような遊びがあり、また、わいろなども十分にあったものと考えられる。日本初代の主要である伊藤博文などは、どれくらいの愛人があって、どれくらいの芸者遊びをしていたのか、全くわからないのだ。しかし、その功績はしっかりと残っている。
究極の質問として、スキャンダルもしなければ、功績もろくに残せない政治家が良いのか、または、芸者遊びも何でもするが、しかし、国のためにしっかりと結果を残す政治家が良いか、国民はそのように考えなければならないのではないか。

 さて、そのような意味では、「領土問題」はしっかりと対処し、禍根を残さないように解決しなければならない。日本という国家の要素は、主権・国民・領土ということであるとされているが、実際に、その領土が不安定であっては国家の根幹が無くなるのと同じだ。その為に様々な政治家が今まで北方領土の話をしてきた。しかし、残念ながら岸田首相はそのような行動を行っていないところが残念な話だ。ちなみに岸田首相の外交は、中国と交渉をしても、ホタテガイの話はするものの、日本人のスパイ容疑が捕まってる人々の開放などは、全く話題にも出さないなどということで、日本の首相になりうるのかということは非常に残念であるということになる。これも今のマスコミは、初めのうち「聞く耳のある総理」として持ち上げていたのであるから、呆れたものであろう。

 さて、ロシアの外務大臣が「北方領土問題は終わった」と発言している。つまり、これは「日本との平和条約の締結はしない」ということを意味している。元々は橋本龍太郎首相とエリツィン大統領との間で二島返還論で平和条約の締結ということになっていた話だ。しかし、その平和条約がないということは、大東亜戦争の戦争集結が日本とロシアの間では終わっていないということになり、国際法上は戦争は終わっているものの、個別の和平は成立していない国ということになる。その国が平和条約の締結を拒んだ(その条件の北方領土返還交渉を終わらせた)ということは、ある意味で日本に対する戦争をする意思があるということに他ならない。つまり、ウクライナとの戦争の結果次第では北海道に攻め込むということを意味しているのである。
「ロシア側の対応は極めて不当で、断じて受け入れられない。北方領土問題を解決して(ロシアと)平和条約を締結する方針を堅持する」<上記より抜粋>
このようなことを官房当館が言っているが、それ以上に意味があることは何故わからないのであろうか。そして、戦争の準備は出来ているのであろうか。日本国民をどのように北海道から非難させるのか。少なくとも、現段階において、そのような調整は行われていない。まさに「平和ボケ内閣」なのでしかないのだ。
その状況で来年の岸田内閣の外交はどうなるのであろうか。ちょっと心配である。
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