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2022-06-24 21:13

(連載1)物価・為替政策に対する岸田政権の不作為

宇田川 敬介 作家・ジャーナリスト
 日本では、1ドル=135円という記録的な円安になり、一方で、アメリカでは記録的な物価高でアメリカ国民が悲鳴を上げている。アメリカのFRBは金利引き上げを行い、物価の抑制を図っている。
 
 もちろん、日本の物価高もかなりの問題であることは間違いがない。昔はよく「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」というような言われ方をしていたが、今回もほぼ同様の状況になっている。昭和初期に「昭和恐慌」があった。この時も「金解禁」などによって日本の昭和恐慌は決定的となった。金解禁を、辞書で調べてみよう。ブリタニカ国際大百科事典小項目事典によると、つぎのようなことである。「金輸出禁止を解除し再び金の自由かつ無制限な輸出を認め,金本位制度に復帰すること。金輸出解禁ともいう。金解禁はそれを実施するときの金平価によって旧平価解禁と新平価解禁とに分けられ,前者は金輸出禁止前の金平価で,後者は金輸出禁止後の実勢為替相場を基準にして,それぞれ金解禁する場合のことをいう。
 
 1920年代に各国が金解禁を実施したものの,30年代に金輸出再禁止を行わざるをえなくなったのは,1929年の大恐慌に加え多くの国が金輸出禁止期間の物価上昇と為替相場の下落を無視し,旧平価で金解禁を実施して国内経済に極度のデフレーションをもたらしたためである。 30年に日本の浜口内閣が行なった金解禁政策はその典型とされる。同年浜口雄幸が凶弾に倒れると,翌年末,犬養内閣は金輸出を再禁止した。」当時の日本は、浜口雄幸内閣総理大臣の暗殺、犬養毅内閣に対しての5・15事件が発生し、大東亜戦争へと突入してゆく。このように、往々にして、極端な不況は混沌を呼ぶ。では現代ではどうなるのであろうか。
 
 「恐慌」と「戦争」は、密接にかかわりがある。自由な世界経済においては、物流の安定が図られ、そして、世界の物資を金銭でやり取りすることで、経済効率が維持される。その金銭でのやり取りが途切れ、物流の安定や金銭の流れが、何らかの強力な阻害要因によって、一部で「滞る」ということになれば、全体のバランスが崩れ、一部の物資が高騰する。その「一部の物資」の中でも「基本的な物資」つまり「石油などの資源」などの産業の基礎となる物資や「食料品」または「水」など人間が生きてゆくうえで必要な物資が止まってしまった場合、代替商品を探したり、あるいは異なる供給先に需要が集中するので、当然に物価は上がってゆく。(つづく)
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