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2022-02-08 18:36

(連載1)日本共産党と同舟するのはあまりに不合理

加藤 成一 外交評論家(元弁護士)
 立憲民主党・泉代表は、昨年の衆議院選敗北を受けて、立憲・枝野代表と日本共産党・志位委員長との間の、立憲が政権を獲得した場合の「閣外協力合意」や両党の「共闘関係合意」を一旦白紙にする意向をテレビ等で述べている。これには、連合・芳野会長の「今後、日本共産党と共闘する候補者は推薦しない」旨の発言も影響しているのであろう。
 
 これに対して、日本共産党は、両党の「閣外協力合意」や「共闘関係合意」は、公党間の合意であり国民との公約でもあるとして、立憲・泉代表の一方的な白紙発言に強く反発し、今年7月の参議院選に向けて、両党の共闘関係を早急に構築するよう求めている。このような動きを見ると、日本共産党は非常に焦っているように見える。日本共産党にとっては、立憲との「閣外協力合意」や「共闘関係合意」は、同党の「統一戦線戦略」(「党綱領四=民主主義革命と民主連合政府」参照)として画期的だ。政権に近づくための唯一の道であり、またとないチャンスでもある。後戻りはできないと認識しているからであろう。
 
 このような日本共産党の「焦り」の背景には、近年における日本共産党の顕著な党勢衰退を無視できない。機関紙「赤旗」の購読者数と党員数の減少傾向に歯止めがかかっていない。党勢衰退により、今や立憲との共闘関係がなければ、かつての「自共対決」時代のようには、もはや、日本共産党単独では人的物的にも選挙戦を含め十分には戦えない状態にあると筆者は分析している。その意味で、日本共産党は立憲民主党に接近せざるを得ないのである(2019年3月29日「百花斉放」掲載拙稿「衰退する日本共産党」参照)。
 
 日本共産党は今年党創立100周年を迎えるが、同党の党勢のピークは1980年代であり、1987年の党員数は48万4000人であったが、現在では28万人にまで減少し、機関紙「赤旗」も1980年の355万部から現在では100万部を割り込んでいる。しかも、党員の高齢化も進んでおり、党勢は顕著に衰退に向かっているのである。このような日本共産党衰退の最大の原因は、同党が理論的基礎と位置付ける「科学的社会主義」(「マルクス・レーニン主義」)が有する時代錯誤の陳腐性にある(「党規約2条」参照)。(つづく)
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