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2022-01-31 21:59

(連載1)ウクライナ情勢、日本に何ができるか

松川 るい 参議院議員
 ロシアのラブロフ外相は1月28日、ウクライナ情勢に関し「ロシアの側から言えば戦争はない。われわれは戦争を望んでいない」旨述べ、米露は2月1日外相会談を行うなどの対話の継続に合意したとのこと。ロシア軍が引いていないので問題が解決したわけではないが、協議が上手くいくことを祈るばかりです。主張が真っ向から対立しているので難しい交渉です。
 
 ロシアは、ウクライナのNATO加盟を認めない(NATOのさらなる東方拡大を行わない)こと、ウクライナにおいて軍事支活動を行わないことを求めていますが、米・NATO側は、加盟申請はウクライナの自由意志に基づくことと加盟如何を決定するのはNATOである、ロシアが侵攻すればウクライナに軍事支援を増強すると言っています。しかし、どういう表現を使おうと、今回の焦点はウクライナを「緩衝地帯」としてどう認めるか(認めないか)ということです。
 
 台湾とウクライナは似たところがあります。ウクライナについても台湾についても米国に国際法的な意味において防衛義務はありません。しかし、実際上は、ウクライナと台湾、いずれについても、その意思に反してロシアや中国に占領されることを容認することはできない。それは自由と民主主義を標榜する米国のリーダーシップに対する回復困難な深刻なダメージになるという意味において、「守る」必要があるという点において同じくだと感じます。
 
 他方、ロシアにとっては、ウクライナは旧ソ連邦の中核国であり、すでにバルト3国、チェコ、ポーランド、ハンガリーまでNATOの東方拡大が進展し、これ以上は絶対に許すまじということです。ロシアからすれば自国領土周辺までNATOが軍を展開する可能性があることは自国の安全保障上の脅威と感じているのでしょう。ロシアはあれほど大きな領土を持っていても常に外国は敵対勢力であり、常に領土を拡張するか緩衝地帯を置くかして自国を守らなければならないという強迫観念にも似た被害者意識をもってきました。(つづく)
 
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