国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2007-09-27 21:18

郵政造反保守政治家の自民党復党の重要性

玉木亨  大学教授
 昨27日の本欄で太田正利さんが指摘された「戦後レジームからの脱却」の必要性に全面的に同感する。「戦後レジーム」は戦前の日本を全面否定する歴史認識を前提として組み立てられている。その歴史認識の内容は、戦勝国や中国・朝鮮・韓国(および本田勝一氏等のような日本の過去を否定する日本のマスコミ人ら)によって作り上げられてきた。さらに、官房長官という日本政府の要職にありながら河野洋平氏は事実を十分に確認する手続きを省いて慰安婦問題の存在を公式に認めてしまった。また、村山談話もあの戦争が侵略戦争であった旨を不適切にも安易に認めてしまった。 

 「戦後レジーム」を基礎付けるこのような誤った歴史認識を正していくためには、正しい理解を持った健全な保守政治家の役割が重要である。しかし、日本を支配している事実上の第一権力はマスコミであり、マスコミに袋叩きにあえば、政治家はこれをしのぐのは難しい。政治家が朝日新聞等により強烈な非難を受け、それによって大臣の職を追われる事態さえたびたび起こってきた。歴史の真実について政治家が語ることが非常に難しい情勢が作られてきた。加えて、折悪しく郵政解散・総選挙の際に、日本の真のあるべき姿、国益を真剣に考え、歴史についてもしっかりとした見識を持っていた人々の多くが、同時に郵政民営化に反対し(これは単なる偶然ではなかったと思われるが)、それが原因で自民党を追われた。

 残念ながら「郵政民営化という『あるべき改革』に反対する抵抗勢力を切った小泉総理は、国民のために新しい『わかりやすい政治』を作った」という理解が、マスコミを通じて国民に広まり、そのような考え方からは、造反議員の復党は「わかりにくい政治」「悪い政治」への回帰としかならず、安倍政権の支持率を大きく下げることとなった。中川秀直幹事長は、国民世論が復党に厳しいであろうことを予測したからなのか、あるいはそもそもの中川氏の政治的立場によるものなのかはわからないが、復党にきわめて高いハードルを設け、そのために復党が不十分になった。福田新体制が発足したが、「戦後レジーム」の適切な見直しは継続すべきものであり、福田総理・総裁及び新体制の自民党幹部がこの点について賢明な判断をすることを期待したい。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム