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2007-09-27 14:05

戦後レジームからの脱却

太田正利  元駐南アフリカ大使
 安倍総理は約一年という短期間の在任の後、突如辞任し、ご本人は入院してしまった。元来意地悪い(!)マスコミは、ここぞとばかり批判的言辞を弄した。確かに、総理本人の若年なるが故の未熟さもあったが、同時に総理自身の直接の責任外である多くの閣僚の不手際が致命的だったと思われる。然るべきアドヴァイザ-がいなかった点も挙げられた。颯爽と登場した時は、もともと主張していた(どちらかといえば)右寄りの主張を問題にする向きは殆どなかったように見える。ところが、如何なる「入れ知恵」があったか不明ではあるが、「靖国問題」で一部勢力をがっかりさせ、さらに慰安婦問題関連の河野談話を踏襲し、前大戦に関する村山談話を認めるなど、桜井よし子さんの表現を借りれば「安倍総理は安倍総理でなくなった」ことが人気凋落の一因だったようだ。かかる態度が元々の支持基盤だった保守陣営に絶望感を惹起したのではないか。支持基盤を中央から左まで拡大したいとの願望が、逆に本来の支持基盤を破壊してしまったのではないか。

 筆者が、最近身も細る思い(大げさではない)でいるのは、「戦後レジームの脱却」という命題が霞んでしまわないかということである。朝鮮半島からの「強制連行」、朝鮮民族の植民地支配、「創氏改名」、「従軍慰安婦」等々。中国大陸に関しては、盧溝橋事件と(同時に)通州事件の真相、いわゆる「南京虐殺」等々。すべて日本が悪者になっている。これらの情報はすべて外国発であり、日本は、真相を自身の目、見解で判断せず、他者の言い分を飲み込んだ結果、これら外国(中・韓・朝)の言うとおりの史観を取り入れるという結果になってしまった。ちなみに、「謝罪」は自分の罪を認めたことになるというのが国際常識である。謝罪すれば一件落着という日本的常識は世界に通用しない!これが、「謝罪、また謝罪・・」という連鎖になっている。その結果、日本人が謝罪しているのだからそれが真相であろうということになり、これが世界に定着する。安倍総理の「戦後レジームからの脱却」とはまさにかかる連鎖を日本人自身の手により断ち切ろうとの決断だったと断じてよい。

 問題は我々、「日本人自身」の名誉・アイデンティティの問題である。かかる問題につき「保守主義」、「極右」、「時代錯誤」などの暴言を向ける面もあろうが、「日本人とは何か」と日本茶を喫しながら、座して「考えて」みようではないか。
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