国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2007-09-21 01:00

日印原子力協力の重要性

井上和洋  大学院生
 この度発表された日本国際フォーラムの第29政策提言「インドの躍進と日本の対応」を大変興味深く拝見いたしました。「民間レベルの経済交流が何よりも重要であることを理解し、具体的な取り組みを推進せよ」など経済関係の政策提言が中心となっていますが、そのひとつひとつに同感です。中でも最近の国際情勢の観点から注目される提言は、一番最後の「原子力平和利用における日印協力を推進せよ」という項目です。これこそは、多くの財界人を引き連れて大々的に行われた先の安倍総理訪印においてさえ、我が国が明確な姿勢を示すことができなかった点であり、この政策提言の価値を高めるものであると思います。

 もはや、「唯一の被爆国」という62年前の出来事に起因する「核アレルギー」の前に思考停止すべきではないと思います。核不拡散ということが現実には不可能になりつつあるという状況を踏まえながら、核問題に対する戦略的な対応が不可欠となっています。対印関係の発展という観点から考えても、エネルギー・環境問題への対応などの点で、原子力協力がもたらす恩恵は非常に大きなものがあると思います。そうした中でこのような明確なスタンスを示した政策提言は非常に貴重なものであると考えます。

 ただし、この政策提言では、「NPT体制の本来の目的である核不拡散、さらには核軍縮に向けて、インドと協力して、非核保有国のみならず、核保有国に対しても積極的に働きかけていく具体的政策を真剣に検討すべきである」とされていますが、その「具体的政策」がどのようなものであるかといった点までは踏み込んでいません。政策提言には、抽象的な議論だけではなく、具体的に何をどのように実施すべきかという視点が必要だと思います。難しい問題であるとは思いますが、今後、この提言で言う「具体的政策」としてどのような内容が考えられるのか、更なる議論が行われることを期待します。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム