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2007-09-14 01:15

Powerdown 戦略のみが長期的にみてより有効な戦略

小倉 正  アルバイト
 近藤哲次氏にはお分かりのことかと思いますが、表題をつけたのは私ではなく、この掲示板の編集者です。表題の編集が少し論争的にすぎるように思いますが、私のおおむねの論旨は近藤氏に同意するものです。ちなみに、私の「投稿履歴」にありますように、私はこの掲示板では昨年6月10日の第62号に始まって、12月の第191、192、198号と何回かピークオイルについて論じてきました。

 さて、意図を説明しておきますと、ピークオイル危機は、実際に生じるか、あるいは大衆が危機が起こるとのコンセンサスに達するまさにその瞬間に、単なる未来予測と予防の段階から危機管理のフェーズへと一挙に移ってしまうわけです。そして一旦危機管理のフェーズに入れば、近藤氏は批判されますが、「問題を一寸先送りできる対策」というのは素晴らしい対策だという認識に変わるはずです。他に取れる対策がそれほどないためでもあります。

 そのため、単にスループットを増加させるだけの油井の数を増やす設備投資(どうも近藤氏はこちらのことを指摘しているように見えます)と、究極的な回収率を高め利用可能なストックを増やすことになる石油増進回収(EOR)への投資の二つは、全然別のものとみなすべきという考え方になるわけです。ちなみにEORが望ましいと考えているわけではありません、予防的に動員するのには反対ですが、ポスト・ピーク時のオプションの中では大前提、という微妙な見解です。

 ご存知かもしれませんが、「Powerdown」 と「The Oil Depletion Protocol」 はそれぞれ Richard Heinberg のピークオイル本3部作の2、3冊目の表題でもあります。ポスト・ピーク時の危機管理を考察する上で必須の文献かと思います。「リアルな認識」はなにかについて言えば、石油争奪戦争に勝ち抜こうとする Last One Standing 戦略が有効なのではなく、 Powerdown 戦略のみが長期的にみて有効なのだというReinbergs氏の考えの方が、(少なくとも日本にとっては)より現実的だと思っています。
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