国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2019-07-16 13:41

主権者教育の再認識

船田 元 衆議院議員(自由民主党)
 平成27年の通常国会に私が座長を務めた超党派のプロジェクトチームが、公職選挙法改正案を提出し、選挙権年齢を満20歳から満18歳以上に引き下げた。1年の周知期間を経て、平成28年の第24回参議院議員選挙から実施された。あれから3年が経過して、次の参議院選挙が目前に迫っている。選挙権年齢の引き下げは70年来の大改革で、若者の政治参画を促す目的があったが、投票率はどうだったのだろうか。
 
 前回の参議院選挙の全体投票率が54.70%なのに対して、18歳が51.28%、19歳が42.30%だった。また平成29年10月実施の衆議院選挙の全体投票率が53.68%なのに対して、18歳が50.74%、19歳が32.34%だった。新たに選挙権を得た18歳の投票率は全体のそれにかなり近くなっているが、19歳となると大幅に低下する傾向が見てとれる。18歳では多くの若者は親と同居しており、また高校生として周囲からの働きかけも多く、主権者教育の一定の成果が出ていたと見ることが出来る。しかし19歳となると環境も大きく変わり、折角の教育も剥げ落ちてしまうのではないだろうか。付け焼き刃でなく、効果の長続きする主権者教育が望まれる。
 
 効果の長続きするものとはどういう教育だろうか。政治の仕組みなどの知識を詰め込むだけではやはり駄目だと思う。毎日の新聞に目を通して、世の中の動きや政治の動きに関心を持つことが、まず大切だ。しかしそれではまだ不十分で、「人口減少社会でも活力を失わないためにはどうしたら良いか、戦争を起こさないためにはどうしたら良いか、どのように予算配分したら皆が満足するか」など、身の回りの課題を取り上げて、先生やクラスメイトとディベートしたり、皆の前で発表したりといった実体験が重要ではないか。
 
 文科省は新しい学習指導要領の目玉として、ディベートやプレゼンテーションなどのアクティブラーニングの要素を取り入れようとしている。これはどの教科でも大切だが、取り分け主権者教育においては特に重要である。現場の教員に求められることは、これらが教科の付け足しではなく、教科のど真ん中を形成しているという認識である。主権者教育の一層の進化を実現しなければならない。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム