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2017-07-13 09:52

記者会見記録に記者の所属・氏名を公開せよ

萩原 孝夫  無職
一部マスコミによる稲田叩きは凄まじい。稲田氏が防衛大臣に就任した最初の日の記者会見からして、こう始まります。《記者;大臣は、日中戦争から第2次世界大戦にいたる戦争は、侵略戦争だと思いますか。自衛のための戦争だと思いますか。アジア解放のための戦争だと思いますか。大臣;歴史認識に関する政府の見解は、総理、官房長官にお尋ねいただきたいと思います。防衛大臣として、私個人の歴史認識について、お答えする立場ではありません。記者;防衛大臣としての見解を伺いたい。大臣;防衛大臣として、お答えする立場にはないと考えております。〈中略〉記者;先ほどお答えいただけなかったので、もう一回聞きますけれども、軍事的組織の自衛隊のトップとしての防衛大臣に伺いますが、日中戦争から第二次世界大戦にいたる戦争は侵略戦争ですか、自衛のための戦争ですか、アジア解放のための戦争ですか、見解を教えてください。》

つい最近の会見でも同様です。《記者;「防衛省・自衛隊、防衛大臣、自民党」と言っているじゃないですか。誤解を招くところは一切ないじゃないですか。何をどう誤解するのですか。我々を馬鹿だと言っているのですか。》ここで問題なのは、記者の所属・氏名が示されることなく、匿名でなされていることです。会見の場では顔も所属も氏名も分かってはいるのでしょうが、防衛省ホームページ上では、所属・氏名は公開されていません。しかも、記者会見は記者クラブに加盟する閉鎖環境下で、外部の目が入っていない。仲間内のイケイケドンドンで、独りよがりの自説を一方的に述べ、執拗に質し、極めて行儀が悪い。子供相手なら、「お行儀よくしなさい」と叱るところです。これは記者会見もうではなく、記者の一人が言うように、「議論をふっかける」場になっています。しかも、この状態が、平成28年8月の大臣就任時から今にいたるまでの一年近く続いています。

改めて、大臣の記者会見での匿名性を調べてみますと、20名いる大臣の会見記録のうち、以下の7名、35%は、記者の所属・氏名を公開しています。(1)安倍首相、(2)高市総務相、(3)山本環境相、(4)菅官房長官、(5)松本国家公安委員会委員長、(6 )鶴保内閣府特命担当相、(7)加藤一億総活躍担当相。他に、外務省の報道官の記者会見でも記者の所属・氏名を公開。なお、総務省と外務省では、記者クラブ非加盟の記者であっても、一定の条件を満たせば、質問権を持って参加できるようです。

匿名性を無くせば、記者会見で「議論をふっかける」ことが無くなるだろう、というのは甘い期待でしょう。しかし、少なくとも読者・視聴者が、マスコミ各社を判断するときの大きな要素にはなりえます。「知る権利」をとおして、「選択の自由」を行使することができるようになります。企業に対しては株主の目[日本版スチュワードシップ・コード]があるように、また政府・与党に対してはジャーナリズムの目があるように、[社会の木鐸]を自称するマスコミの記者諸氏に対しても、読者・視聴者の目ががあってしかるべきです。内閣改造が近々行われるようです。退任される大臣は、置き土産の一つとして、記者会見記録に記者の所属・氏名を公開されるよう要望します。
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