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2007-02-19 17:42

連載投稿(1)再始動した国連常任理事国入りの動き

角田勝彦  団体役員・元大使
 一昨年秋の国連総会で日、独、ブラジル、インドのいわゆるG4案が審議未了の廃案となって以来、ほとんど動かなかった国連安全保障理事会の改革論議が、2月上旬、約1年半ぶりに再始動した。休会同然だった作業部会が総会議長の呼びかけで再開され、安保理の規模や常任・非常任などメンバー国の分類方法、拒否権の扱いなど5つの議題に沿って話し合いを進めたあと、議長が分野ごとに任命したまとめ役の大使5人が、3月末までに結果を潘基文事務総長に報告する由である。

 我が国は、その国連常任理事国入りを実現するためにこの機会に最大限の努力を行うべきことは論ずるまでもなく、すでに大島国連大使は1月中旬ニューヨーク市内で行った講演で、日本の常任理事国入りに向けた安保理改革について「この機を逃すと、難しくなる感じがする」と述べ、今年の夏が最終期限になるとの政府の考えと決意を示した由である。

 幸い2月中旬の「アーミテージ・リポート2」や米国要人の言明によっても米国の我が国常任理事国入り支持に揺らぎはなく、問題の中国(拒否権がある)についても、事態に激変がなければ、一昨年の否定的反応とは違った態度が期待できると思われる。国連総会で必要な三分の二以上の支持を得ることも可能であろう。

 問題は具体案である。麻生外相は1月26日の外交演説で、常任理事国入りについて「安保理にかかわり続ける重要さは、非常任理事国として北朝鮮に関する(制裁)決議を通した昨年の経験から改めて痛感した。新たな提案を検討し各国と緊密に協議する」と表明した。大島大使は、作業部会再起動に際し、常任理事国と非常任理事国双方の議席増を求める方針を改めて表明し、G4を軸に「論議のたたき台となりうる提案を検討している」と語った由である。独は、今回もG4案に小幅修正を加えた案を検討中のようである。(つづく)
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