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2015-06-08 11:39

(連載1)ユネスコ世界遺産は初心に帰れ

中村  仁  元全国紙記者
 ユネスコの世界遺産登録で日本が対象になると、地元自治体、観光業界は大喜びし、テレビ、新聞も大騒ぎする様子がおなじみになっています。趣旨が誤解されていますね。ユネスコにせよ、料理のミシュランにせよ、国際的なお墨付きを欲しがる精神的依存症から卒業したいですね。「明治日本の産業革命遺産」が登録候補になり、7月の委員会にかかります。首相の地元の山口や九州ほかの各地に残る製鉄、鉄鋼、造船、石炭産業関連が対象です。これに韓国が「対象遺産では非人道的な強制労働が行われた。日本はその歴史を無視したまま登録しようとしている」と、横やりを入れてきました。慰安婦、靖国と同列の日韓問題に飛び火しました。

 「なにもそこまで歴史問題を巻き込むことはないだろう」というのが、多くに日本人の感想でしょう。これを韓国からみると、、とくに朴大統領は反日政策を政権の柱にしていますから、日本に食いついて離れません。この国はとにかくしつこいですね。いい加減にしなさいよ。これが影響したのか、委員会21票のうち登録に必要な14票にまだ達していないという微妙な状況とか。

 安倍政権にとって重大事です。韓国の横やりに屈するわけにいかない。さらに官邸のそれこそ横やりで、すでに登録候補にあがっていた「長崎の教会群」を押しのけてユネスコに持ち込んだらしいのです。「産業革命遺産」が登録見送りともなれば、首相の立つ瀬がなくなります。だれが官邸に入れ知恵をして、逆転させたたのか。政治主導の失敗ともなれば、また問題が大きくなります。とにかく日本は「世界遺産」というと、大ニュースの扱いですから。

 わたしは、そんなドタバタ劇より、ユネスコの世界遺産登録がすでに1000を数え、「いくらなんでも多すぎはしないか」に関心があります。ヴェルサイユ宮殿(仏)、自由の女神像(米)、万里の長城(中)などは、世界遺産にする十分な価値があります。人類の歴史や文化の歩みをまさに刻印しています。このままのペースが続くと、いずれ1500とか2000に届くかもしれません。(つづく)
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