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2013-10-31 22:23

安倍総理は悪玉政治家達を明るみに出せ

河東 哲夫  元外交官
 安倍政権は、これまで「国民の熱き期待を背に」という感じでやってきたが、そろそろ世論の分水嶺にさしかかってきたという直感がしている。アベノミクスも、食料品の値段がどんどん上がるだけの話で、「インフレ期待をあおって、企業投資を活発化させる。そのために日銀が銀行から、国債を大量に買いあげる。銀行はそのカネで企業に融資をする」という良循環は起きてこない。もっとも、多くの人には、「インフレ期待をあおって」というのがこの循環の先頭についているのが、何とも不健康に見えるのだが、その問題は別にして、とにかく投資も融資もほとんど増えていない。

 アベノミクスで暮らしが良くなったという実感がないところに、総理はトルコにもう2度も行くとか、肝心の中国、韓国をよそに「活発な外交」とやらを繰り広げている。そろそろ一般の国民は白け始め、政権がやっていることの意味がよくわからなくなってきたと思う。もともと国民の大半は、自民党が自民党だから投票したのではない。自民党が民主党でないから投票したのだろう。国民の政治参加を増やすとか言うが、大半の有権者には「政治に参加」している時間はない。自民党に丸投げして、「お前、ちょっとやってみろ」と言っているだけのことだ。

 安倍政権は、政府・官僚への抑えはきっちりしている。素晴らしい。しかし、国民からはそれは見ていてわからない。国民は、小泉さんがしたように、社会を黒と白に分け、白が黒をやっつけるというストーリーにしてくれないと、政治を論ずる気も起らない。今、安倍政権が陥っているのは、一党独裁の罠ではないか?選挙であまりに大勝ちし、野党が腰砕けになっているから、当たるところ敵なし。だがそうなると困るのは、「悪者」がいなくなることだ。

 良いことは全て安倍総理のおかげという方に持っていくと、状況が暗転した時、悪いことも全て安倍総理のせいになってしまう。小泉総理は「守旧派」を悪玉に仕立てあげて、亀井議員などまさに外見までバイキンマンのような役者ぶりだった。安倍総理も遠慮していないで、自民党絶対多数の支配下で利権を漁り、改革を邪魔している政治家達を明るみに出せばいい。マスコミも、安倍政権が日本のために大事だと思うなら、そういうことをもっと報道したらいい。             
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