国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2013-03-17 11:10

(連載)日中韓サミットでは、まず信頼関係の醸成を(1)

角田 勝彦  団体役員
 安倍晋三首相は、3月15日夜出演したNHK番組で、近くソウルで、中国の李克強首相、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領と首脳会談(日中韓サミット)を行うことを明らかにした。沖縄県・尖閣諸島や島根県・竹島の問題を巡って日中、日韓関係が悪化して以降、そして3カ国での政権交代後、初めての正式な首脳交流であり、初顔合わせである。

 幸い、北朝鮮問題、日中韓自由貿易協定(FTA)を含む経済問題、環境問題など、対立を生まずに重要な成果をあげられそうな議題には事欠かない。李首相も朴大統領も登場したばかりで先は長い。万が一首脳間に不信感や不快感が生まれれば悪影響はあとを引くだろう。議題の選択など事前の準備に万全を尽くすとともに、安倍首相(二期目の首相として重みがあろう)は「右傾化」批判を避けて、対立の危機を未然に防ぐよう配慮することが望まれる。

 日本、中国、韓国3カ国政府は5月25、26両日にソウルで日中韓首脳会談を開く方向で最終調整に入った。これは「日中韓サミット」と呼ばれる、日中韓三国が独立して3国の持ち回りで開催する首脳会議である。かっての「日中韓首脳会談」(故小渕恵三元首相が1999年に提唱)は、東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス日中韓3カ国首脳会議の際に年1回定例朝食会の形式で開かれていたが、東アジア地域の安全保障や環境問題など、日中韓の3国が緊密に協議すべき課題が増えてきたことから、2007年11月のシンガポールでの「ASEANプラス3首脳会議」の際、福田首相、中国の温家宝首相、韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領(当時)が、ASEAN首脳会議とは切り離した形で、3か国の首脳会談を開く方向で基本合意し、第1回(日本、2008年12月)以来継続されてきたものである。今回は第6回となる。

 第5回(2012年5月)の北京におけるサミットでは日中韓投資協定が署名に至った。野田首相から、これは日中韓FTAの先駆けとなるものとの評価があったが、同年11月にカンボジアで開かれた経済貿易担当相会合で、日中韓3カ国はFTA締結に向けた交渉に入ることで合意し、2013年2月20~21日に東京・霞が関の外務省で開かれた準備会合で、今後の交渉方針などが話し合われた。3月下旬には、ソウルで締結に向けた第1回交渉(関税撤廃の品目など)が行われる由である。(つづく) 
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム