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2013-02-24 16:13

今次「日中対話」の成果を、広く世界へ

鈴谷 誠  会社員
 貴フォーラムの伊藤憲一理事長による2月19日付けの産経新聞の「正論」欄への寄稿「今こそ日中間のパイプ太くせよ」を拝読し、目頭が熱くなりました。ただでさえ、尖閣諸島に対する中国の外交攻勢が日に日に増し、また今年1月下旬の中国軍艦による海上自衛隊の護衛艦およびヘリに対する射撃管制用レーダー照射があった最中にあって、このようなシンポジウムが開催されたことの意義はきわめて大きいと思います。行き詰まりに陥っている現在の日中双方の関係ですが、官と官(日本政府と中国政府)では出来ないことを、民間同士だからこそ出来た「前向き」かつ「未来志向」の対話として、両国政府およびその社会に対し、本事業は重要なシグナルを送ったものと考えるからです。

 一方、「正論」記事を読みながら、このような貴重な機会を、より広く広報して欲しいと感じました。時期的にも、問題の複雑さと緊張関係に鑑みても、やはり日本の一般社会に広報することは難しかったのでしょうか。両国の「オピニオンリーダー・レベル」でなければ、冷静かつ前向きな議論は出来なかったと考えるべきでしょうか。日本にも、一部過激な団体やグループが存在することも確かですが、この記事を読み、そのような「対話」の存在について初めて知った私は、嬉しく拝読させて頂いたのと同時に、自分もまた是非参加してみたかったと考えております。同種の会議を「オピニオンリーダー向け」と「一般向け」に分けて実施するなど、更なる工夫が求められるのではないでしょうか。

 また、この「対話」の成果や研究の報告は、どのような形でだれに提示されるのでしょうか。私も読むことができますか。これらの成果は、日本政府および中国政府に対しても提示されるのでしょうか。きわめて有意義な機会で、かつ重要なシグナルである本会議の成果は、日中双方の政府および社会に対してのみならず、英語版などを作成し、広く世界に発信する十分な価値があると思います。南シナ海域にて、中国と同様の問題を抱えている関係諸国に対しても、貴重な政策的示唆を与えるものと考えます。報告書等の提示方法を是非ご検討下さい。

 最後になりましたが、このような時期に、この「対話」のために来日した中国側研究者らのみならず、彼らと共に研究・分析に取り組んだ日本側研究者ら、主催・共催団体の事務方の皆さまの胸中を推し量るに、ただただ感服せざるを得ません。関係者の皆さま方の勇気に、心からの敬意を表したいと思います。伊藤理事長がいみじくも指摘しているように、本対話を実施するに際しては、関係者の皆さまもきっと最後の最後までハラハラしていたのだと思います。皆さまの更なるご活躍をお祈り申し上げます。
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