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2012-08-16 15:21

丹羽大使は即刻更迭すべきである

津田 直樹  会社員
 平林博元大使が「丹羽大使は即刻辞任すべきである」とのご意見を発信されているという新聞記事を読みました。久しぶりに胸のつかえがすっと抜けましたが、私はもう一歩踏みこんで、丹羽大使は即刻「更迭」すべきであると考えます。新聞報道によれば、日本政府は9月に他の大使と一緒に丹羽大使を交代させる意向とのことですが、それでは中国政府にも、日本国民にも、「国益を著しく損ねたから」解任する、というメッセージが伝わりません。これが酒の勢いとか、報道陣の口車に乗せられて、ちょっと口を滑らせたくらいのことであれば、今回だけは寛容な対応をしても良いでしょう。しかし、丹羽氏の場合は、それ以前からの一連の中国寄りの発言で明らかなように、完全な「確信犯」です。したがって、今すぐに他の人事異動とは別に「更迭」すべきなのです。

 私は丹羽氏と同じ商社マンの出身ですが、商社マンOBとして、丹羽氏の発言は極めて恥ずかしく思っています。商社マンというのは、常に「自社の利益しか考えない」「そろばんだけで動く」人間なんだなと、日本国民の多くから見られることは、耐えがたい屈辱です。商社マンと言えば、「生き馬の目を抜く」がごとくの商売根性で、「商売のためなら、何でもやる」という印象があるかもしれませんが、それは誤りです。丹羽氏とは180度違って、会社の「社益」の前に、日本の「国益」がある、ということを自覚しているのが、本来の商社マンです。

 多くの開発途上国で、それこそわが身を削りながら、命がけでその国の発展のために尽くしてこられた先輩が、周囲にたくさんおられます。その結果として、多くの国の人々から尊敬の念を持たれた商社マンは数えきれません。それが長い目で見れば、日本の「国益」に寄与したきたわけです。相手国(相手先)に耳ざわりの良いことだけしか発言せずに、おもねることばかりの人が、国際感覚に優れた人物であるというのは、大きな間違いです。自国のために身体をはって相手と交渉するのが外交官であり、商社マンです。時には相手と口角泡を飛ばす勢いで議論することによって、相手から尊敬の念を勝ち取るということもあります。

 このようなことは、丹羽氏のような方に改めて説教する必要はないはずです。十二分に理解しておられるはずです。にもかかわらず、今回のような発言を繰り返してきたのは、出身会社の中国におけるビジネスを有利に動かして行こうとの思惑があったからではないでしょうか?もしそうであれば、丹羽氏には日本国特命全権大使の資格は全くないということになります。日本の津々浦々で丹羽氏の辞任を求める声が盛り上がっています。丹羽氏の登用に責任のある一部政治家に責任問題が波及することを惧れて、丹羽氏交代の時期が遅れていると聞きますが、それはまったく日本の「国益」に反することです。野田佳彦首相の英断を切に希望するものです。
                                   
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