国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2012-07-10 18:27

政党の条件を考える

船田 元  元経済企画庁長官
 「政党」であるための条件すなわち政党要件は、公職選挙法と政治資金規正法に次のように定められている。(1)所属国会議員が5人以上存在する。(2)直近の国政選挙で得票率が2%以上になる。このいずれかをクリアーすれば政党となることができるが、これはあくまで必要条件であり、十分条件としては次のようなことが考えられる。(1)立党の精神や基本スタンスを表現する、綱領や宣言などを持っており、所属党員にはこれらの遵守を要請し、党員もこれに従っている。(2)国政選挙や地方選挙において、公約やマニフェストを発表し、これに賛同し実現する候補者を出馬させ、応援する。(3)議会活動や社会活動において、立党の精神や公約を実現すべく、所属党員がまとまって行動する。

 これらの条件に対して、現在の民主党がそれを満たしているだろうか。答えは「否」である。前回の衆議院選挙で掲げたマニフェストのほとんどが実現できていないか、撤回されている。政党の基本政策である「税と社会保障の一体改革法案」の衆議院本会議採決では、民主党所属議員の57名が反対し、15名が棄権もしくは欠席している。誰が見ても政党の要件を満たしているとは思わない。

 民主党が政党でありつづけるには、少なくとも反対した57名に対して、除名や離党勧告という厳しい処分を実行し、政党としての最低限の条件をクリアーすべきではないか。そうしなければ民主党は議員の「寄り合い所帯」でしかない。今回の処分は党の分裂を恐れるがあまり、極めて曖昧なかたちとなり、「寄せ集め」の状態が解消されていない。民主党内ではこれからも「ものが決められない」状況が続くことになる。

 さらに採決を棄権あるいは欠席した15人の議員には、厳しい世論が待っている。2つの勢力の間に挟まって、悩みに悩みぬいた結果の行動かもしれないが、国民有権者から見れば、彼らから付託された責務を放棄したことになる。反対であってもきちんと意思表示をした議員のほうが、むしろ国民からの信頼はつなぎとめられるのではないか。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム