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2006-10-16 09:25

近未来を考える(ニュールネサンスからメタモダンへ)

角田勝彦  団体役員
 10月6-8日の塚崎公義氏の連載投稿「『衰退国家』の長期的外交戦略はどうあるべきか」は、日本と世界の長期的将来を考察するもので、歴史哲学に関心を持つ私にとり興味ある論考であった。私は、現在、世界で数百年に一度の大変容(ニュールネサンス)が生じており、それも冷戦終焉以降すでに後期に入っていると認識し、イラク戦争など(いわば新しい三十年戦争)のあと遠くない将来に、超現代(メタモダン)がやってくるとの考えを持っている。基本は、近・現代の基礎となったウェストファリア体制の変更(国家主権の不平等化と内政干渉容認)及び資本主義体制の変化(知本主義へ)であり、つまるところ、さまざまなドグマからの人間解放である。

 私は、マルクス主義のような歴史的必然を認めない。メタモダンの体制としては、いろいろなケースが想定される。地域により異なった体制が支配的になる可能性もある。塚崎公義氏などの論考は、近未来の考察において、多強対立など従来の伝統的体制の継続を当然の前提としている。「今のうちから長期的な戦略性を持った議論を深めて行くことが是非とも必要」との氏の考えには賛成であるが、日本国内でも経済的躍進と軍事力増強を続ける中国への懸念が高まっている現在、多強対立の構図のみでなく、さまざまな可能性を考慮することが望ましい。

 なお、私は、来るべきメタモダンの構図として次の六ケースを想定している(詳しくは、8月発刊の拙著「変えるのは総理かあなたか いまニュールネサンスからの国際関係」中央公論事業出版)。その中で、日本が「衰退国家」どころか、ニュールネサンスのフィレンツェになる可能性はかなり大きい。
1.多強対立(米中など大国間のウェストファリア体制への回帰)
2.新「帝国」(世界連邦を含む)
3.乱世(国際テロ、反米勢力台頭、核兵器拡散)
4.アソシエーションズ(各種共同体《国家を含む》の国境を越える目的別連合)
5.歴史上人類が経験しなかった良い未来(超科学技術によるエデンの園など)
6.歴史上人類が経験しなかった悪い未来(人類絶滅など)
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