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2012-04-02 19:19

(連載)原発再稼働は慎重に(1)

角田 勝彦  団体役員
 刈羽6号機運転停止で、国内54基の原発中稼働しているのは北海道電力泊原発3号機だけになる。脱原発運動が勢いづく中、野田佳彦首相は、3月27日、ソウルの核セキュリティ・サミットの全体会合で「事故で露呈した原子力施設の脆弱性を克服する」と宣言し原発(まず大飯原発3、4号機)再稼働への意欲をのぞかせた。

 ソウルではこのサミットを「原発推進の集まりだ」と批判するデモが行われた由で、首相発言はサミットの結論に即したものではあったが、3月30日文科省により公表された首都直下地震の震度予測地図(最大で震度7の揺れ)や、3月31日内閣府中央防災会議の有識者会議により公表された南海トラフ地震・津波高想定(浜岡原発付近は最大21mで建設中の18mの防波壁を越す)に鑑みれば、原発再稼働にはより慎重な対応が要求される。少なくとも、政治家でなく専門家の再判断を問うことが必要だろう。

 周知のとおり、オバマ米大統領が、2009年4月のプラハ演説で「核なき世界」の実現を訴えて以降、核軍縮や核安保の分野でいくつかの進展が見られる。やっかいなのは、米ロ英仏中の核保有国間の問題に加え、事実上の核保有国(インド、パキスタン、イスラエル)と疑惑国(北朝鮮、イラン)への対処の問題があり、さらに核テロの危険性が増大していることである。核テロを国際社会の最大の脅威の一つと位置付ける米国が音頭をとり、2010年4月にワシントンで核セキュリティ・サミット第1回会議が開催された。

 核セキュリティ(安保)は、本来は、テロリスト等による核物質や放射線源の悪用が想定される脅威((1)核兵器の盗取、(2)盗取された核物質を用いた核爆発装置の製造、(3)放射性物質の発散装置《いわゆる「汚い爆弾」》の製造、(4)原子力施設や放射性物質の輸送等に対する妨害破壊行為)が現実のものとならないようとられる措置を意味していたが、ソウルの第2回会議では、福島第1原発事故を受け、原発の安全対策も議題に取り上げられた。(つづく)
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