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2011-10-21 22:27

ロシア、台湾とのFTA又はEPAを提案する

宮崎 厚  ベンチャー企業顧問
 韓国は大幅な対日貿易赤字がさらに拡大することを恐れて、日本とのFTAには躊躇しているようです。また、中国とのFTAには、両国の政治体制の違いや、膨大な人口による民族的圧力の問題があり、難しそうな気がします。そこで、私としては、ロシア、台湾両国との二国間FTA又はEPAの交渉を進めることを提案したいと思います。

 ロシアとの間では、近く産業相が来日するそうですが、日露間には北方領土(国境線策定)問題があり、経済協力の話は純粋な経済問題としては進みません。大部分の日本人は、これまでのロシア政府の仕打ちに反発し、ロシアにはソ連時代から余り好印象を持っていないと思います。しかし、最近、若いころ読んだトルストイの小作品を読み直して気づいたのですが、日本人はその場の感性を大切にすると思いますが、ロシア人の思索の深さは、一般の日本人とは違うと改めて思いました。トルストイにおける人間の本能と宗教的理想の葛藤だとか、ドストエフスキーの人間模様に対する考察の深さだとか、ツルゲーネフの自然観察の深さなどに、ティーエージャーの頃感動したことを思い出しました。もともと気候温暖な島国に暮らす日本人と、寒冷で広大な大地に暮らすロシア人とは、互いに全く違う国民性だと思いますが、お互いいろいろな形で接して、もっとロシア人と仲良くしたいものです。そうすれば、ロシアの本当の姿が分かってくるのではないでしょうか。そして、そのような国民的相互理解が進まないと、ロシア政府は北方領土を返しはしないと思います。つまり、双方の国民が良く理解し合う一歩として、民間交流を深めることは決して損ではないと考えます。政治交渉だけでは、問題解決は難しいと思っています。東北大地震の被害が甚大であることを知ったロシア国内の一部民間人の間からは「北方領土を日本に返そう」といった意見も出てきたようです。

 次に、台湾ですが、皆様ご存じのとおり、先の東北大震災に対する台湾国民の支援は格別のものがあり、日本人としては感謝に耐えません。ユーラシア大陸の太平洋側に並ぶ同じ島国として、双方にもともと非常に理解しやすい国民性があるのではないでしょうか。本欄でも、どなたかが推奨しておられましたが、日本は台湾と経済的、文化的に親密な協力関係が作りやすいのではないでしょうか。確かに大陸中国との間の政治的な絡みは面倒で、中国は猛烈に抗議してくるでしょう。しかし、日本は、臆することなく、「ならば中国とも、FTAやEPAを話し合いましょう」と受けて立てばよいではありませんか。日本は、日中間より先取りして、日台間でお互いの生活基盤や経済活動の交流をもっと親密にすればよいのです。そうすれば、もし仮に中国と台湾が一緒になったとしても、そのときは、日台間の好関係を中国全土に広めればよいだけの話ではありませんか。

 荒唐無稽かもしれませんし、両案とも、将来の布石として、外交的思惑も含んでいます。しかし決して悪い思惑とは思いません。戦略的外交とは、そのようなものではないでしょうか。
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