国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2011-07-05 07:32

菅、松本は即刻辞任して、被災者にわびよ

杉浦 正章  政治評論家
 日本中が同情し、慈しみ、「がんばれ」と言う言葉すら「かえって負担になる」と使わないほど気を遣っているときに、言語道断の脅迫・差別発言だ。このような人物を復興担当相という最重要ポストに就けた首相・菅直人の任命責任は重大だ。被災地のことを思えば、もう「辞める」「辞めない」で国会の空白を作っている時間はない。政権の手詰まり感は極まった。地元も不信感が募り、もう本格復興はこの政権では無理だ。菅も復興担当相・松本龍も即刻辞任して、国民に不明をわびよ。

 報道ステーションの古舘伊知郎が、松本の就任時の「民主党も、自民党も、公明党も嫌いだ」発言を「これだけ政治家らしい発言は聞いたことがない」と激賞したが、筆者は逆に「この男は異常だ。大失言をする」と直感した。7月3日の発言をみると、一国の閣僚とは思えないほどの上から目線で、脅迫と差別意識に満ちている。岩手県知事・達増拓也を「コンセンサスを得ろよ。そうしないと何もしないぞ」「知恵を出したところは助けるけれど、知恵を出さないヤツは助けない」と脅す。宮城県知事・村井嘉浩には「お客さんが入ってくる時は、自分が入ってからお客さん呼べ。いいか。長幼の序がわかっている自衛隊なら、そんなことやるぞ」とすごむ。松本は「知恵を出せない被災者」を切り捨てるつもりなのか。この緊急時に自分は「客」のつもりで県庁を訪れたのか。長幼の序の用語も使い方を間違っている。長幼の序とは、長じたものは幼い者を慈しみ、幼い者は長じたものを尊敬する、という儒教的思想に基づいており、守るべき順序をいう。自衛隊の上下関係の規律や主従関係とは異なる。そもそも自治体と政府は対等だ。地方自治制度の基礎も知らない。極めつけは同席した記者らに「書いたら、その社は終わりですからね」と三流やくざのようにすごんだ。だらしがない記者たちはおじけづいて、「はい」「はい」と答えたが、社を代表して取材していることを忘れている。

 「それはおかしい」と即座に反論すべき場面だった。おまけに「九州の人間ですけん、語気が荒い」「ちょっとB型で、短絡的なところがあって、私の本意が伝わらない」は、明らかに九州人とB型の人に対する差別発言だ。九州人はよく知っているが、語気など荒くないし、言葉遣いも思慮深い。血液型で性格が占えるなどという迷信を信じているのは、公人として不適切だ。要するに、「何様だ」ということだ。この人物のこれまでの人生は、脅迫と差別に満ち満ちていたのであろうか。その性格がスポットを浴びて露呈したのだ。任命権者である菅の責任が一番重い。菅は復興相人事で打診した政治家からことごとく就任を断られ、仕方なく防災担当相の松本を就けた経緯がある。そもそも菅は3月に、自民党総裁・谷垣禎一に電話で震災担当相就任を要請したときには、最重要視していたポジションだ。それを「選択肢がない」からといって、ろくろく仕事もしていない防災担当相に割り振るという、いいかげんな人事を行ったのだ。そのツケが直ちにはね返ってきたことになる。

 野党は一斉に反発しているが、菅と松本が辞任しないのなら、7月6日の集中審議で徹底追及せよ。質問者も、かったるい東北出身議員ばかりに固定せず、エースを立てるのだ。松本はこの調子だと、必ず第2、第3の失言をする。これをてこに菅と松本の問責決議案を提出せよ。必ず可決されるだろう。可決しても辞任しない場合は、審議拒否などせずに、むしろ審議をして、その破廉恥ぶりを白日の下に照らし出すべきだ。必要な法案の審議も促進すべきだ。菅が解散に踏み切るなら、受けて立てばよい。敵失で自公政権が復活するだろう。九州の人間もB型の人間も民主党には投票しない。それにつけても、読売の「編集手帳」は大傑作だ。松本をイヌのような言葉遣いの政治家に例えて、最後に「イヌのような・・は礼を失していよう。世のイヌ諸君、ごめんなさい」とやった。朝日も社説で「こんな人では心配だ」と指摘している。「悪言の玉は磨き難し」、確信犯は除去せねばならない。
 
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム