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2011-05-22 01:03

再三、福島原発の「石棺」化による即時封鎖を促す

松井 啓  元駐カザフスタン大使
 私は本欄への投稿で、福島原発の即時封鎖を3月23日に提言した(No.1890)、更に3月27日に再度封鎖の英断を促した(No.1896)。その時の4つの理由を次に再記する。(1)この原発は修復不可能である。たとえ技術的には可能であったとしても、再稼働には地域住民が賛成しないだろう。(2)このまま時間がたてば益々統制困難となり、チェルノビル事故の二の舞となる惧れすらある。(3)即刻職員を退去させ、セメントで原発を固めてしまう「石棺」作戦をとることが最終的に最も安全である。(4)このままの作業を続ければ、放射線漏れはさらに増大し、作業員、周辺住民、農作物、河川、地下水、大気、海水等の環境破壊は拡大し、世界中に拡散していく。

 現在も状況は変わっていないので、福島原発の即時封鎖をもう一度促したい。昨日に至りやっと廃炉を決定したが、ここまで至る過程では、ヘリコプターによる蝉の小便のような散水、汚水漏れ防止のための古新聞や鋸屑の投入、更に漏水漏れ経路究明のための入浴剤投入など、小学生の実験工作のようなことを行って来た。何故チェルノビルのように「石棺」化できないのか、というのが素人の私の率直な疑問である。放射線による汚染水が何処から漏れているか未だに分からないので、「水棺」化は時間がかかるのみか、汚染と危険の更なる拡大を意味している。何故汚染水が一層増大する方法に拘泥するのであろうか。即刻原発をコンクリートや鉛板で囲って、「生き埋め」にして、放射線汚染拡大に終止符を打ち、地域住民(広くは世界)を安心させ、一刻も早く生活の復興に取り組むべきである。

 原子力委員会、原子力安全委員会、資源エネルギー庁、原子力安全・保安院、日本原子力研究開発機構、電力会社などの「馴合いの原子力村」は、「原発は安全」と言う神話を一旦作り上げ、「不都合な事実」は隠し合い、かばい合いをしている。そのように垣間見えてならない。5月26日開催のフランスでのG8サミットでは、原発の安全性が最大のテーマになっている。福島原発事故に関する事実は正確に迅速に公表すべきである。サミットで日本の事故処理の不手際と放射線汚染拡散が糾弾され、もっぱらフランス原発の安全性が強調されることのないよう、菅首相には万全の準備をして臨んで頂きたい。
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