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2011-04-03 21:45

原子力は「つなぎ」、自然エネルギーが「主流」

西村 六善  非常勤公務員
 世界はここ40-50年で原子力を除く自然エネルギー主流の時代になります。2010年現在既に自然エネルギー電力は全球発電容量の25%、全球発電量の20%を占めています。08-09年連続で新規全球発電投資の半分以上が自然エネルギー用です。あと半世紀もしないうちに全球発電量の大半を自然エネルギーが占めるでしょう。日本では原発強化論と低炭素化消極論が強いので、無知なだけです。あと半世紀後原子力は存続しているでしょうが、主流ではありません。2100年以降(もしかすると遥かそれ以前にも...)の世界は原発を必要とはしないでしょう。要するに原子力は「つなぎ」(transitory)なのです。

 しかし「つなぎ」であっても、1950年代から原発が終焉する2100年(もしかするとそれ以前)ごろまでの150年間に発生する放射性廃棄物の危険性と管理責任は、10万年続くのです。2050年頃以降の人類は、彼らが必要としない過去のエネルギーの危険な遺産と同居して10万年生きて行くのです。このことが倫理的かどうかは問われるべきではないでしょうか?21世紀に生きる人間の人類的連帯からすれば、「つなぎ」性を更に短縮するべきです。将来の人類にとっての「厄介モノ」の量は少なくしてやるべきです。それは取りも直さず、原子力以外のクリーン・エネルギーの急速導入に邁進することです。冒頭に述べた通り、既に加速がついている自然エネルギーに更なる加速を付けるべきです。

 「原発推進政策を変えるな」と識者や専門家が論じてみても、殆んど意味はないのではないでしょうか?フクシマ以降、原発の増設は誰が何と言おうと国民が決めるのです。最早国民が増設を認める筈はないでしょう。となると、既存原発は安全を増強し、いずれ古い順から退役させ、天然ガスと高効率石炭で当分凌ぎ、省エネを徹底し、自然エネルギーの急速な大量導入に舵を切る以外に、現実的な解決はないでしょう。これはやる気になれば日本で出来る話です。経済成長を圧迫するどころか、成長を促進するでしょう。原発なしでも、文明の発展は可能です。理念は重要ですが、長期展望のもとで世界の動きを見る必要があると思います。
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