国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2011-03-17 09:37

(連載)「復興から再建へ」の所感(1)

角田 勝彦  団体役員
 3月15、16日の拙稿「危機にあたり臨時増税より特別公債発行を」のあと、いくつかの進展があったので、補足かたがた危機対策に関して所見を述べたい。なお、犠牲者の方々への追悼に加え、福島原発で生命の危険を冒して修復に努力されている作業員・専門家の皆様、警察、消防隊、自衛隊など現場で苦労されている皆様に、感謝と敬意を表明したい。またこの際は、政府の政治指導を含め、専門でない部外者(マスコミを含む)の実務担当者への批判(どなってもしょうがない)は極力避け、地道な努力を最大限支援する姿勢を基本とすることを慫慂したい。不満はあろうが、勝手各様にそれを表明して、現場に混乱をもたらすのは有害である。批判はあとでもできる。

 一つの例は、東電の計画停電である。いろいろ批判があり、経済同友会は、15日、「総量規制」を採用すべきと提言したが、東電は、一瞬でもパソコンなどに問題をもたらす停電を極力避けようと努力したと思われ、15日には計画停電を、当分の間東京都23区では実施しないことを明らかにした。けっきょく停電を免れたらしい筆者としては、東電の発表が混乱していたなどの批判には組みしない。最後まで停電を避けようとした結果の混乱と解釈している。

 ただの批判より悪質なのはデマである。意図的なものや海外発を含め原発関係のデマ(「東京も危険だから、逃げろ」など)が蔓延している。14日日本政府が行った要請に応じ、数日内に国際原子力機関(IAEA)の支援チームが来日し、被害拡大の防止に加え、中立的な立場での事故分析、評価を行う由である。これにより客観的判断が広まることが期待される。もちろん、その前にマスコミが誇大な危険情報を流すことを差し控える必要がある。専門家の意見をもっと大きく取り上げるべきだろう。

 さて、危機対策である。最優先すべき国民の生命身体の保護に関し、15日、政府は重点を救命活動から物資配布などの被災者支援に移す方針を決めた。自衛隊を活用し、物資の管理・輸送を陸海空3自衛隊が一元的に行うことになった。被災者のその後の生活支援のため住居確保などで、日本中から申し出がなされることも期待される。(つづく)
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム