国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百花斉放」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2010-12-16 07:38

野党時代の“遺伝子”で政治をやっている民主党政権

杉浦 正章  政治評論家
 だじゃれシリーズで言えば、もう「厠の火事」で「やけくそ」なのだろうか。見ている方がはらはらするほど、民主党政権は政府・与党挙げて支持率低下に向けて、全精力を傾注しているように見える。どうも政権自体が、社会党などの野党時代の“遺伝子”で政治をやっているようにも思える。うそはつき放題、普通は隣に聞こえないようにやる内輪もめも、テレビの前で堂々とやる。それを一枚上手の小沢一郎が巧みに利用する。これでは国民も「鐘撞きの昼寝」で「一言もない」。

 悪役・小沢を全面支持する民主党内の中堅・若手は、国会招致反対決議を出したり、岡田を追い込むための両院議員総会開催の署名運動をしたり、国民感情の逆なでに余念がない。小沢支持の議員らが小沢を支持すれば支持するほど、国民は遠ざかる事を知らないかのようである。そこには政権政党としての責任感など微塵もない。明らかに長年染みついた野党感覚があるだけである。かつて、政権は自民党に任せて、あることないこと追及していれば事足りた、何でも反対党の遺伝子がなせる業である。

 「貧乏人のお粥」で「湯ばっかり」の官房長官・仙谷由人も、政権中枢にありながら野党感覚が一番横溢している。仙谷は、問責決議問題で、「私には『おまえ辞めろ』と言ってきた人はいない」と開き直ったが、さすがに参院議長・西岡武夫は議長職を心得ている。12月15日「問責決議を何と心得る」と怒って、「もっと真摯(しんし)に受け止めてもらいたい」と記者会見でくぎを刺した。平気でうそをつくのも、野党時代の習いだ。紛れもない政治主導であった尖閣事件の船長釈放を地方検事の責任に押しつけて、知らぬ顔のままなのは、官房長官職における戦後最大のうそでもある。歴代政権のスポークスマンも、これほどのうそはつかなかった。「うそも身の芸」に徹していて、「うそらしいうそはつくとも、誠らしいうそはつくな」などという感覚は、ゼロだ。もっともすぐにばれるという判断が出来ないことの方が問題ではあるが。

 そして国民の神経逆なでの総本山・小沢の専横ぶりだ。15日も国会招致問題について、「私が出ることで、国民の支持が得られ、選挙に勝てるのであれば、いとわないが、その見通しは立っていない」と宣う始末だ。発言からは、この人物の価値観がすべて唯我独尊であることが分かる。国民の支持が得られないのは、自分が説明責任を果たさないことに尽きるのだ。最後に「いずれ裁判で決着がつくのだから、国民のために頑張りたい」のだそうだ。
お名前は本名、またはそれに準ずる自然な呼称の筆名での記載をお願いします。
下記の例を参考にして、なるべく具体的に(固有名詞歓迎)お書き下さい。
(例)会社員、公務員、自営業、団体役員、会社役員、大学教授、高校教員、大学生、医師、主婦、農業、無職 等
メールアドレスは公開されません。
ただし、各投稿者の投稿履歴は投稿時のメールアドレスにより抽出されます。
投稿記事を修正・削除する場合、本人確認のため必要となります。半角10文字以内でご記入下さい。
e-論壇投稿の際の注意事項

1.投稿はいったん管理者の元へ送信され、その確認を経てから掲載されます。
なお、管理者の判断によっては、掲載するe-論壇を『百花斉放』から他のe-論壇『議論百出』または『百家争鳴』のいずれかに振り替えることがありますので、予めご了承ください。

2.投稿された文章は、編集上の都合により、その趣旨を変えない範囲内で、改行や加除修正などの一定の編集ないし修正を施すことがありますので、予めご了承ください。

3.なお、下記に該当する投稿は、掲載をお断りすることがありますので、予めご了承ください。

(1)公序良俗に反する内容の投稿
(2)名誉や社会的信用を毀損するなど、他人に不快感や精神的な損害を与える投稿
(3)他人の知的所有権を侵害する投稿
(4)宣伝や広告に関する投稿
(5)議論を裏付ける根拠がはっきりせず、あるいは論旨が不明である投稿
(6)実質的に同工異曲の投稿が繰り返し投稿される場合
(7)管理者が掲載を不適切と判断するその他の理由のある投稿


4.なお、いったん投稿され、掲載された原稿の撤回(全部削除) は、原則として認めません。
とくに、他人のレスポンス投稿が付いたものは、以後部分的であるか、全部的であるかを問わず、いかなる削除も、修正もいっさい認めません。ただし、部分的な修正については、それを必要とする事情に特別の理由があると編集部で認定される場合は、この限りでありません。

5.投稿者は、投稿された内容及びこれに含まれる知的財産権(著作権法第21条ないし第28条に規定される権利を含む)およびその他の権利(第三者に対して再許諾する権利を含む)につき、それらをe-論壇運営者に対し無償で譲渡することを承諾し、e-論壇運営者あるいはその指定する者に対して、著作者人格権を行使しないことを承諾するものとします。

6.投稿者は、投稿された内容をその後他所において発表する場合は、その内容の出所が当e-論壇であることを明記してください。

 注意事項に同意して、投稿する
記事一覧へ戻る
公益財団法人日本国際フォーラム