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2006-07-17 10:55

アメリカは最後までは、日本とつき合わない

小林 勝  無職
 5月15日国連安保理は、日米などが提出した北朝鮮のミサイル発射を非難し、同国への関連物資・技術の移転阻止を加盟国に求める決議を中ロを含む全会一致で採択した。この結果をどう評価するかである。

 これまで核廃絶であるとか、アフリカ開発援助であるとか、どちらかと言えばおままごとのような、きれい事の世界で、優等生を演ずることはあっても、血なまぐさいパワー・ポリティクスになると、いつもアメリカの影に隠れて、幼稚園児のような頼りなさだった日本が、初めて独立独歩の動きをした、その意味では瞠目すべき出来事ではあった。

 しかし、やってみて分かったことは、パワーポリティクスの世界は大人(常任理事国)の世界であって、子供(非常任理事国)にできることは限られているということであった。結局、アメリカが頼りで、アメリカを当てにしての日本の動きであったが、アメリカは、日本を手駒に使って、そのグローバル・ポリティクスの一小局面を戦ったのにすぎないのであって、考えていることは別(イラン、イラク)のことであった。

 だから、虎の威を借りた日本外交は「中国が拒否権を行使するなら、それでもよい」などと言って、「絶対降りない」と言っていたはずの国連憲章7章への言及を、アメリカから「無理だよ」と言われると、あっさりと「仕方がない」と言って降りてしまった。アメリカは日本を売って、中ロに貸しをつくったのである。前にも、アメリカは日本の国連常任理入りを求めるG4提案に公然と反対したことがあった。

 したたかなアメリカ外交と言えばそれまでだが、「アメリカは最後まで日本とつき合ってくれる」という思い込みが根拠なき思い込みであることに、日本人はそろそろ気づかねばなるまい。竹島や尖閣諸島で武力紛争が起こったとき、アメリカが助けに来てくれないことくらいは、もうすでに日本人は分かっていなければなるまい。
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