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2010-09-10 09:46

(連載)民主党代表選の後に来るものは何か(2)

角田 勝彦  団体役員
 小沢候補には次の7つの質問を呈したい。

1.「政治とカネ」 
 倫理は別とする。小沢氏は検察の強制捜査で無罪が立証されたと強調しているし、推定無罪の理論はあるが、検察審査会が「強制起訴」の議決を出したらどうするのか。検察審の審査員が「素人」であり、「(検察審の)仕組みがいいのか、議論は出てくる」とまで言っているが、「法」には勝てない。小沢氏は、これまで強制起訴された場合でも、自ら同意し、「堂々と受け、潔白を主張する」と、裁判闘争の決意を述べている。しかし現職首相が刑事被告人として法廷に立つ風景は、憲政史上初めてで、内外に恥となろう。憲法第75条は「国務大臣はその在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない」と規定している。小沢氏は、高知県香南市では、8月6日「日本の首相はどこの国の大統領より強大な権限を持っている。最高裁の判事も内閣が任命できる。やろうと思えばすべてできる権限を持つ」と述べた由で、むしろ憲法の規定援用を考慮しているのではないか。政治的責任の追求、具体的には「小沢首相」への問責決議案の可能性に関しては、9月8日、10人の新人議員との懇談で「オレは自民にも公明にも知り合いが多い。決議案は出ないだろう」と自信を見せていたというが、国会での説明はどうするのか。

2.独裁性
 小沢氏は、幹事長時代、「新人議員は政策などといわず、まずは地元の支持固めに専念せよ」と言って、新人議員は班に割り振られ、数ヶ月にわたって「研修」を受けさせられた。いわゆる小沢チルドレンへの統制は厳しい。また、その一存で、党政調が一時廃止され、自治体からの陳情は幹事長室に一元化された。党の民主制はどう確保するのか。

3.外交
 「普天間で新たな腹案がある」「沖縄も米政府も納得できるような解決が知恵を出せば必ずできると確信している」と述べたが、内容を明らかにしていない。9月3日の閣議後の記者会見で、北沢防衛相は沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題が争点として浮上したことに関連し、「内外に疑念を持たれる可能性がある」と指摘したが、すでに米国では懸念が表明されている。鳩山前首相の意見を聞いてはどうであろうか。(つづく)
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