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2010-05-10 02:24

袴田先生のご意見をお聞かせください

河村 洋  親米NGOニュー・グローバル・アメリカ代表
 さる4月2~3日付けの本欄で、袴田茂樹先生は、「日本の対露政策はこのままでよいのか」と題し、「わが国として、このようなロシアにどのように対応すべきか。最も重要なことは、日露の経済関係の発展と平和条約問題を含む政治関係の発展のバランスをとることだ。この点で大きな懸念がある。それは、近年のわが国の対露政策がロシアに結果的に『日本政府は、領土問題を棚上げした』という間違ったシグナルを与えているということだ。つまり、ロシア側は『日本の関心は経済関係のみで、北方領土返還要求は単なる国内向けのタテマエであり、平和条約がなくても、日露関係は進む』という誤解を最近抱くようになっている」と論じておられます。
 
 この点に関連し、いくつかの質問をすることをお許しください。まず、日本がロシアに対して、一方で領土問題の解決を強く求めながら、他方で経済関係も深めたいというなら、中央と地方を分けたアプローチをすればよいと思いますが、それは可能でしょうか?すなわち、政治問題は中央政府と交渉しながら、経済問題では地方を通じて交流を深めるということです。私がこのように思う理由は、日本から近い極東ロシアの世論が、クレムリンの思考様式(欧米で "back to the Old Soviet Union" あるいは "neo Czarism" と呼ばれています)とは大きく異なると見られるためです。最近の日本製中古車輸入問題では、極東の市民たちはクレムリンの外国車輸入規制に反対し、大国主義を振りかざすよりも日本との平和共存と自由な経済関係の発展を主張していました。そこで、冒頭に記しましたように、「政治は中央から、経済は地方から」というアプローチがどこまで可能か、うかがえればと願っています。併せて以下の3件についても質問できれば幸いです。

 (1)2000年代のエネルギー景気から極東地域は取り残されました。しかしプーチン首相は、近年この地を訪問して、自らの強さを訴える様々なパフォーマンスをしています。そうしたパフォーマンスには、トラ撃ち、筋肉質の肉体誇示、雪原での乗馬がありました。こうしたパフォーマンスの裏には、極東開発への並々ならぬ意欲が感じられます。今後のロシアの極東政策、そしてアジア太平洋外交はどのように展開する見通しでしょうか?

 (2)日本の政治家の間では、冷戦の終結で「ロシアの脅威は去った」との見方が広まっています。しかしプーチン首相が上記のようなパフォーマンスをしているからには、極東でロシアの軍事的存在感が再び増大する可能性はあるのではないでしょうか?中国の台頭に対抗するうえでも、ロシアは、極東での軍事力を将来増強する可能性は高いのではないでしょうか?

 (3)ロシアに関する論文や報道などで私の目にするものは、ヨーロッパ、カフカス、中央アジアについてのものが多く、極東に関する情報は少ないのが現状です。ロシア語が理解できれば、ウラジオストックやハバロフスクの地元メディアなどから情報入手も可能と思われます。しかし、生憎ながら、私はロシア語を理解できません。そこで、極東ロシアに関して良い情報源や参照リンクなどをご教示頂ければ喜ばしく思います。
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